超音波ガイド下神経ブロックの進歩─腹壁ブロック

[要旨] 腹壁ブロックの歴史は浅く, 近年の超音波ガイド法の導入後に発展した部分が多い. 腹横筋膜面ブロックは複数のアプローチが報告され, その適応や有効性, 合併症などを含めてまだこれから研究が必要である. 超音波ガイド下ブロックの中でも腹壁ブロックは日本人研究者の貢献の割合が高いブロックであり, 今後の研究も期待される. 「はじめに」これまで腹部手術には硬膜外麻酔が術後鎮痛の第一選択として行われてきた. しかし, この15年で周術期管理は大きく変わり, 硬膜外麻酔の利点だけでなく欠点に注意が向けられるようになった. そこに近年の超音波ガイド下ブロックの発展も加わり, 腹壁のブロックが腹部手...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 38; no. 1; pp. 114 - 118
Main Authors 佐倉, 伸一, 原, かおる
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.01.2018
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.38.114

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Summary:[要旨] 腹壁ブロックの歴史は浅く, 近年の超音波ガイド法の導入後に発展した部分が多い. 腹横筋膜面ブロックは複数のアプローチが報告され, その適応や有効性, 合併症などを含めてまだこれから研究が必要である. 超音波ガイド下ブロックの中でも腹壁ブロックは日本人研究者の貢献の割合が高いブロックであり, 今後の研究も期待される. 「はじめに」これまで腹部手術には硬膜外麻酔が術後鎮痛の第一選択として行われてきた. しかし, この15年で周術期管理は大きく変わり, 硬膜外麻酔の利点だけでなく欠点に注意が向けられるようになった. そこに近年の超音波ガイド下ブロックの発展も加わり, 腹壁のブロックが腹部手術の術後鎮痛として注目されるようになった. 今回は, 腹壁ブロックの発展を振り返るとともに, 将来への課題についても少し触れる. 「I TAPブロック (transversus abdominis plane block)」「1. 超音波ガイド下ブロック導入以前の腹壁ブロック」2001年, Rafiが腹部領域ブロックabdominal field blockを発表した.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.38.114