生物物理学を牽引する新技術

生物物理誌は1961年7月に第1巻第1号を発行しました. すなわち, 2021年は本誌の60周年にあたります. 本誌編集委員会では, 学会誌の60周年を記念して三回の連続座談会を開催します. 自然科学研究では, 重要な新しい技術の開発が, 新たな対象の研究を可能にし, 新しい概念を導いてきました. また, そのようなパラダイムシフトを起こす成果に対してノーベル賞が授与されています. 連続座談会では, これまでの生物物理学が開発した技術, 開拓した研究対象, および, 導出した概念について振り返るとともに, 今後の生物物理研究が目指す目標について概観する予定です. 第一回は, 現在の生物物理学を...

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Published in生物物理 Vol. 61; no. 2; pp. 111 - 118
Main Authors 安藤, 敏夫, 伊藤, 隆, 杉田, 有治, 南後, 恵理子, 安永, 卓生, 岡田, 康志, 神田, 元紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本生物物理学会 2021
日本生物物理学会
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Summary:生物物理誌は1961年7月に第1巻第1号を発行しました. すなわち, 2021年は本誌の60周年にあたります. 本誌編集委員会では, 学会誌の60周年を記念して三回の連続座談会を開催します. 自然科学研究では, 重要な新しい技術の開発が, 新たな対象の研究を可能にし, 新しい概念を導いてきました. また, そのようなパラダイムシフトを起こす成果に対してノーベル賞が授与されています. 連続座談会では, これまでの生物物理学が開発した技術, 開拓した研究対象, および, 導出した概念について振り返るとともに, 今後の生物物理研究が目指す目標について概観する予定です. 第一回は, 現在の生物物理学を牽引する新技術の開発に取り組んで来られた安藤さん(高速AFM), 伊藤さん(in-cell NMR), 岡田さん(超解像顕微鏡), 杉田さん(分子動力学計算), 南後さん(時分割X線解析), 安永さん(クライオ電顕)に, それぞれの手法の開発時の苦労や夢, 将来の展望を議論いただきます. 岡田さんには司会もお願いしました. さらに, 若い研究者の視点から質問をする司会として, 神田さんにご協力をいただきました. 座談会を通して, 60周年を経てさらに成長する学会の姿をお伝えできればと思います.
ISSN:0582-4052
1347-4219
DOI:10.2142/biophys.61.111