奈良県旧宗檜村における日向地名・日陰地名を持つ土地の日照・日射特性

奈良県旧宗檜村の土地台帳に記載されているすべての小字の中から日当たりの良悪を表す日向地名・日陰地名を収集し,その地の日照・日射特性を GIS により検証した.日陰地名は日向地名に比べ標高が低く,天空率が低く,可照時間が短い.日陰地名の傾斜方位は北・北西・北東,日向地名は南西・南に多い.冬至における日陰地名の日積算散乱日射量,直達日射量は日向地名のそれぞれ 81%,21% と顕著に少ない.しかしながら日陰地名を持つ地にも日向地名同様に住宅地・農作地があり,土地利用形態に明確な差は認められない.また住民は既に小字名をあまり用いず,日当たりに対する認識も必ずしも明確ではない....

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Published in日本生気象学会雑誌 Vol. 54; no. 1; pp. 23 - 34
Main Authors 長野, 和雄, 堀越, 哲美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生気象学会 2017
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Summary:奈良県旧宗檜村の土地台帳に記載されているすべての小字の中から日当たりの良悪を表す日向地名・日陰地名を収集し,その地の日照・日射特性を GIS により検証した.日陰地名は日向地名に比べ標高が低く,天空率が低く,可照時間が短い.日陰地名の傾斜方位は北・北西・北東,日向地名は南西・南に多い.冬至における日陰地名の日積算散乱日射量,直達日射量は日向地名のそれぞれ 81%,21% と顕著に少ない.しかしながら日陰地名を持つ地にも日向地名同様に住宅地・農作地があり,土地利用形態に明確な差は認められない.また住民は既に小字名をあまり用いず,日当たりに対する認識も必ずしも明確ではない.
ISSN:0389-1313
1347-7617
DOI:10.11227/seikisho.54.23