急性喉頭蓋炎の臨床統計

急性喉頭蓋炎は急激な気道狭窄により致命的となりうる疾患であり, 迅速かつ的確な診断と治療が必要である. 今回, われわれは当院にて入院加療を行った急性喉頭蓋炎症例の臨床像を特に気道確保を要した症例を中心に検討し, 文献的考察を加えた. 過去6年間に東北大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科に入院した急性喉頭蓋炎症例71例を対象とし, 診療録から 1) 年齢・性差, 2) 発症月, 3) 症状, 4) 喫煙歴, 5) 糖尿病既往, 6) 誘因・背景, 7) 初診施設, 8) 症状出現から来院までの日数, 9) 中咽頭所見, 10) 喉頭内視鏡所見, 11) 咽頭培養結果, 12) 入院後の増悪の有無につい...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 110; no. 7; pp. 513 - 519
Main Authors 石田, 英一, 小林, 俊光, 渡邊, 健一, 川瀬, 哲明, 香取, 幸夫, 矢野, 寿一, 大島, 英敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 2007
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.110.513

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Summary:急性喉頭蓋炎は急激な気道狭窄により致命的となりうる疾患であり, 迅速かつ的確な診断と治療が必要である. 今回, われわれは当院にて入院加療を行った急性喉頭蓋炎症例の臨床像を特に気道確保を要した症例を中心に検討し, 文献的考察を加えた. 過去6年間に東北大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科に入院した急性喉頭蓋炎症例71例を対象とし, 診療録から 1) 年齢・性差, 2) 発症月, 3) 症状, 4) 喫煙歴, 5) 糖尿病既往, 6) 誘因・背景, 7) 初診施設, 8) 症状出現から来院までの日数, 9) 中咽頭所見, 10) 喉頭内視鏡所見, 11) 咽頭培養結果, 12) 入院後の増悪の有無について検討を行った. その結果, 入院後, 加療を行ってもなお喉頭蓋や披裂部の腫脹の増悪が見られた症例が2例あり, 入院時所見が軽度でも増悪する可能性を念頭においた対応が必要であることが確認された. また, 緊急気道確保を要した症例は5例 (気管切開3例, 気管内挿管2例) あり, 強い喉頭腫脹, 呼吸困難, SpO2低下のある例では入院直後より緊急気道確保の準備をしておくことが肝要と考えられた.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.110.513