化学療法が奏功したリヒター症候群を疑う犬の1例

11歳の雑種犬の健康診断で末梢血リンパ球の著しい増加と体表リンパ節の腫大を認めた。末梢血液塗抹では小型リンパ球の著しい増加を認め,骨髄検査では有核細胞の大部分を小型リンパ球が占めていた。末梢血を用いたリンパ球クローン性解析ではB細胞のクローン性の増殖が認められB細胞性慢性リンパ性白血病(BCLL)と診断した。膝窩リンパ節の針吸引生検では中型リンパ球が一様に観察され,病理組織検査にて鼠径リンパ節および脾臓を低分化型リンパ腫と診断した。また,これらのリンパ球は免疫染色にてCD20にび漫性に陽性を示し,CD3陰性であったことからび漫性大細胞B細胞性リンパ腫(DLBCL)と診断した。Universit...

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Published in動物臨床医学 Vol. 26; no. 2; pp. 86 - 90
Main Authors 羽迫, 広人, 安川, 邦美, 小路, 祐樹, 諏訪, 晃久, 西森, 大洋, 森本, 寛之, 藤井, 祐至, 下田, 哲也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 動物臨床医学会 25.06.2017
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Summary:11歳の雑種犬の健康診断で末梢血リンパ球の著しい増加と体表リンパ節の腫大を認めた。末梢血液塗抹では小型リンパ球の著しい増加を認め,骨髄検査では有核細胞の大部分を小型リンパ球が占めていた。末梢血を用いたリンパ球クローン性解析ではB細胞のクローン性の増殖が認められB細胞性慢性リンパ性白血病(BCLL)と診断した。膝窩リンパ節の針吸引生検では中型リンパ球が一様に観察され,病理組織検査にて鼠径リンパ節および脾臓を低分化型リンパ腫と診断した。また,これらのリンパ球は免疫染色にてCD20にび漫性に陽性を示し,CD3陰性であったことからび漫性大細胞B細胞性リンパ腫(DLBCL)と診断した。University of Wisconsin -Madison プロトコール (UW-25プロトコール)に対する反応は良好で,プロトコール終了後も再発なく第1270病日現在経過は良好である。
ISSN:1344-6991
1881-1574
DOI:10.11252/dobutsurinshoigaku.26.86