フェネストレーション法による眼窩下壁吹き抜け骨折整復術の治療成績

眼窩下壁吹き抜け骨折の整復手術方法にはいくつかの方法がある. 代表的な方法としては経眼窩的方法, 副鼻腔手術に準じた経鼻的方法, 経上顎洞的に整復する方法に分けられる. 今回, 経上顎洞的アプローチのひとつであるフェネストレーション法を用いた眼窩下壁吹き抜け骨折整復術の成績について検討を行った. フェネストレーション法は従来のCaldwell-Lucに準じた方法に比較して低侵襲の手術法である. 対象は聖路加国際病院にて手術加療を行った21例である. 治療成績は自覚症状の改善度と, Hessチャートを利用した他覚所見の改善度で評価を行った. 結果としてフェネストレーション法は良好な改善度を示し,...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 113; no. 5; pp. 450 - 455
Main Authors 今井, 透, 森山, 寛, 吉田, 拓人, 柳, 清, 沖野, 容子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 2010
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.113.450

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Summary:眼窩下壁吹き抜け骨折の整復手術方法にはいくつかの方法がある. 代表的な方法としては経眼窩的方法, 副鼻腔手術に準じた経鼻的方法, 経上顎洞的に整復する方法に分けられる. 今回, 経上顎洞的アプローチのひとつであるフェネストレーション法を用いた眼窩下壁吹き抜け骨折整復術の成績について検討を行った. フェネストレーション法は従来のCaldwell-Lucに準じた方法に比較して低侵襲の手術法である. 対象は聖路加国際病院にて手術加療を行った21例である. 治療成績は自覚症状の改善度と, Hessチャートを利用した他覚所見の改善度で評価を行った. 結果としてフェネストレーション法は良好な改善度を示し, 大きな副損傷を起こすものではなかった. 今後, 眼窩下壁吹き抜け骨折の治療法としてフェネストレーション法を用いた整復術は有効な一方法であると考える.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.113.450