RADPLATによる喉頭機能温存治療

「はじめに」 喉頭扁平上皮癌の発生頻度は低くなりつつあるが, 生存率は過去10数年で低下しつつある. この要因として喉頭全摘術を含めた根治的外科手術から, 喉頭臓器, 機能温存を重視した放射線治療, 化学放射線治療へと治療が変化してきたためと考えられる. 局所進行喉頭癌に対して推奨される根治治療は喉頭全摘出術後の(化学)放射線治療だが, これにより呼吸, 発声, 嗅覚機能に影響を与え, QOLの低下を招く. そのため多くの施設では生存率の低下にも関わらず, 臓器, 機能温存を目的とした強度の高い化学放射線治療を行っている. しかし, この化学放射線治療は遷延する喉頭浮腫, 粘膜線維化, 喉頭知...

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Published in喉頭 Vol. 31; no. 2; pp. 69 - 74
Main Authors 村木, 宏一郎, 小野, 剛治, 田中, 法瑞, 千年, 俊一, 安陪, 等思, 梅野, 博仁, 麻生, 丈一朗, 栗田, 卓, 宮田, 祐作, 辻, 千代子, 末吉, 慎太郎, 深堀, 光緒子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本喉頭科学会 01.12.2019
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ISSN0915-6127
2185-4696
DOI10.5426/larynx.31.69

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Summary:「はじめに」 喉頭扁平上皮癌の発生頻度は低くなりつつあるが, 生存率は過去10数年で低下しつつある. この要因として喉頭全摘術を含めた根治的外科手術から, 喉頭臓器, 機能温存を重視した放射線治療, 化学放射線治療へと治療が変化してきたためと考えられる. 局所進行喉頭癌に対して推奨される根治治療は喉頭全摘出術後の(化学)放射線治療だが, これにより呼吸, 発声, 嗅覚機能に影響を与え, QOLの低下を招く. そのため多くの施設では生存率の低下にも関わらず, 臓器, 機能温存を目的とした強度の高い化学放射線治療を行っている. しかし, この化学放射線治療は遷延する喉頭浮腫, 粘膜線維化, 喉頭知覚低下を来し, その結果, 呼吸, 嚥下機能を悪化させることがしばしば見受けられる. ForastiereらはRTOG91-11試験で進行喉頭癌の喉頭温存治療は化学放射線治療であるとし, この試験は喉頭温存治療のランドマークとなっている.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx.31.69