ロピバカインの薬物動態と毒性
長時間作用型局所麻酔薬ロピバカイン (商品名: アナペイン®) は主として肝臓で代謝を受けるため, 肝機能が低下している場合は血中濃度の上昇や作用時間の延長が生ずる可能性がある. ロピバカインの半減期はラセミ体ブピバカイン (以下, ブピバカイン) よりも短く, 硬膜外投与後の半減期は約5.5時間である. 実験動物においてくも膜下腔に直接投与した場合の神経毒性はリドカインやブピバカインに比べて低く, 硬膜外麻酔や伝達麻酔に安全に用いることができると考えられる. 血中濃度の上昇によって生ずる中枢神経症状はリドカインやロピバカインの場合と類似しているが, 中枢神経毒性, 心毒性はいずれもブピバカイ...
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Published in | 日本臨床麻酔学会誌 Vol. 29; no. 4; pp. 519 - 527 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床麻酔学会
2009
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0285-4945 1349-9149 |
DOI | 10.2199/jjsca.29.519 |
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Summary: | 長時間作用型局所麻酔薬ロピバカイン (商品名: アナペイン®) は主として肝臓で代謝を受けるため, 肝機能が低下している場合は血中濃度の上昇や作用時間の延長が生ずる可能性がある. ロピバカインの半減期はラセミ体ブピバカイン (以下, ブピバカイン) よりも短く, 硬膜外投与後の半減期は約5.5時間である. 実験動物においてくも膜下腔に直接投与した場合の神経毒性はリドカインやブピバカインに比べて低く, 硬膜外麻酔や伝達麻酔に安全に用いることができると考えられる. 血中濃度の上昇によって生ずる中枢神経症状はリドカインやロピバカインの場合と類似しているが, 中枢神経毒性, 心毒性はいずれもブピバカインよりも低く, レボブピバカインとほぼ同程度である. |
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ISSN: | 0285-4945 1349-9149 |
DOI: | 10.2199/jjsca.29.519 |