お薬手帳の活用度調査,第4報:山形市内の医師に対するお薬手帳の認識と活用に関するアンケート調査
[緒言] 患者自身が, 自分の使用している薬剤の処方内容を記載したお薬手帳を医療機関に提示することにより, 重複投与や相互作用等の回避が可能となる. また, 処方内容だけでなく, アレルギー歴や副作用歴を記載することによって, 医療機関と保険薬局が患者情報を一元管理することが可能になる. このように, 薬剤の適正使用を推進する上で, お薬手帳は重要な役割を担っている1,2). その目的を達成するためには, 薬剤師や患者への啓発に限らず, 医師の理解も不可欠となる. 現段階ではお薬手帳への記載は主に保険薬局で行われているが, 病院薬局, さらには医師による記載があれば, 患者情報を共有化できる有...
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Published in | 医療薬学 Vol. 33; no. 1; pp. 54 - 59 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
2007
日本医療薬学会 |
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Summary: | [緒言] 患者自身が, 自分の使用している薬剤の処方内容を記載したお薬手帳を医療機関に提示することにより, 重複投与や相互作用等の回避が可能となる. また, 処方内容だけでなく, アレルギー歴や副作用歴を記載することによって, 医療機関と保険薬局が患者情報を一元管理することが可能になる. このように, 薬剤の適正使用を推進する上で, お薬手帳は重要な役割を担っている1,2). その目的を達成するためには, 薬剤師や患者への啓発に限らず, 医師の理解も不可欠となる. 現段階ではお薬手帳への記載は主に保険薬局で行われているが, 病院薬局, さらには医師による記載があれば, 患者情報を共有化できる有効な手段となりうると考えられる. 山形県では平成12年に, 県病院薬剤師会(以下, 県病薬と略す), 県医師会, 県歯科医師会の協力のもと, 県薬剤師会(以下, 県薬と略す)が独自に「かかりつけ診療お薬手帳」(以下, 診療お薬手帳と略す)を作成し, 保険薬局や病院薬局に加え, 医師会, 歯科医師会を通して個人医院を含む医療施設に配布し, 普及に努めている. しかし, 患者にその目的は説明されているものの, 受診時に提示しないこと, 複数のお薬手帳を有している患者がいること等の問題が報告されている2-4). |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.33.54 |