犬の低アルブミン血症が消化管内視鏡の麻酔管理に及ぼす影響

上部消化管内視鏡を実施した犬を血漿アルブミン(Alb)濃度から3つの群に分類し全身麻酔管理について比較検討を実施した。膠質浸透圧では3群間に有意差が認められたものの, 麻酔中の心拍数, 平均動脈血圧, 呼気終末二酸化炭素分圧, 直腸体温, 呼気終末イソフルラン濃度, 麻酔導入に必要なプロポフォール投与量, 覚醒時間, ドパミンおよび輸液投与速度については3群の間に有意差は認められなかった。本麻酔法における心拍数, 平均動脈血圧の管理について血漿Alb濃度が1.0〜3.2 g/dlの範囲では低Alb血症による明らかな影響は確認されなかったが, 低Alb血症の症例群にはドパミン投与が有効である可能...

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Published in動物臨床医学 Vol. 28; no. 4; pp. 144 - 149
Main Authors 山田, さとみ, 関, 瀬利, 山谷, 吉樹, 手島, 健次, 亘, 敏広
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 動物臨床医学会 25.12.2019
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Summary:上部消化管内視鏡を実施した犬を血漿アルブミン(Alb)濃度から3つの群に分類し全身麻酔管理について比較検討を実施した。膠質浸透圧では3群間に有意差が認められたものの, 麻酔中の心拍数, 平均動脈血圧, 呼気終末二酸化炭素分圧, 直腸体温, 呼気終末イソフルラン濃度, 麻酔導入に必要なプロポフォール投与量, 覚醒時間, ドパミンおよび輸液投与速度については3群の間に有意差は認められなかった。本麻酔法における心拍数, 平均動脈血圧の管理について血漿Alb濃度が1.0〜3.2 g/dlの範囲では低Alb血症による明らかな影響は確認されなかったが, 低Alb血症の症例群にはドパミン投与が有効である可能性が示唆された。
ISSN:1344-6991
1881-1574
DOI:10.11252/dobutsurinshoigaku.28.144