ラット長期閉塞性黄疸に対する胆管内瘻術と胆管外瘻術の比較検討:肝組織血流量と動脈血中ケトン体比に及ぼす影響
長期閉塞性黄疸肝に対し, 胆管内瘻術と胆管外瘻術の肝組織血流量(HTF) と動脈血中ケトン対比(AKBR)の改善に対する比較検討を行った.Specific pathogen-freeのSprague-Dawley系雄性ラットを用い,総胆管を結紮し閉塞性黄疸(閉黄)を作成,胆管内瘻(内瘻)術は胆管十二指腸瘻,胆管外瘻(外瘻)術は胆管膀胱瘻にて行った.T.bilは閉黄後経過とともに上昇したが,減黄後は速やかに低下した,HTFは閉黄1週後より単開腹した対照群と比べ有意に低下を認めたが, 内瘻術6週からは有意差を認めず, 外瘻術では10週後に有意差を認めなくなった.AKBRは閉黄3週までは対照群と有意...
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Published in | 胆道 Vol. 11; no. 3; pp. 277 - 284 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本胆道学会
05.08.1997
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Subjects | |
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ISSN | 0914-0077 1883-6879 |
DOI | 10.11210/tando1987.11.3_277 |
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Summary: | 長期閉塞性黄疸肝に対し, 胆管内瘻術と胆管外瘻術の肝組織血流量(HTF) と動脈血中ケトン対比(AKBR)の改善に対する比較検討を行った.Specific pathogen-freeのSprague-Dawley系雄性ラットを用い,総胆管を結紮し閉塞性黄疸(閉黄)を作成,胆管内瘻(内瘻)術は胆管十二指腸瘻,胆管外瘻(外瘻)術は胆管膀胱瘻にて行った.T.bilは閉黄後経過とともに上昇したが,減黄後は速やかに低下した,HTFは閉黄1週後より単開腹した対照群と比べ有意に低下を認めたが, 内瘻術6週からは有意差を認めず, 外瘻術では10週後に有意差を認めなくなった.AKBRは閉黄3週までは対照群と有意差を認めないが,4週後に有意に低下した. 内瘻術6週以降は回復傾向にあり,10週後には有意差を認めなかった. 外瘻術では, 減黄後10週まで改善を認めなかった. 長期閉黄は, 減黄後もHTFならびにAKBRの回復が遷延した.内瘻術は外瘻術に比べ,それらの改善が良好であった. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando1987.11.3_277 |