P7-009 IgG4関連疾患における末梢血リンパ球フェノタイプの解析
【目的】IgG4関連疾患(IgG4-RD)では,リンパ球の活性化による過剰なIgG4産生を伴う多臓器障害が生ずるが,特定のリンパ球サブセットへの分化偏向が病態形成に関連するのか不詳である.【方法】健常人,IgG4-RD,Sjogren症候群(SjS)より末梢血を採取し,8カラーFACS解析を実施し,ケモカイン受容体によるリンパ球フェノタイプと涙腺・唾液腺以外の臓器障害の有無,血清IgG,IgG4,CRPなどの臨床的パラメータとの関連性を検討した.【結果】IgG4-RD(16例)の患者背景は,年齢60歳,罹病期間19ヶ月,血清IgG 2735 mg/dl,CRP 0.7 mg/dlで,腺症状...
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Published in | 日本臨床免疫学会会誌 Vol. 38; no. 4; p. 352a |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床免疫学会
2015
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0911-4300 1349-7413 |
DOI | 10.2177/jsci.38.352a |
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Summary: | 【目的】IgG4関連疾患(IgG4-RD)では,リンパ球の活性化による過剰なIgG4産生を伴う多臓器障害が生ずるが,特定のリンパ球サブセットへの分化偏向が病態形成に関連するのか不詳である.【方法】健常人,IgG4-RD,Sjogren症候群(SjS)より末梢血を採取し,8カラーFACS解析を実施し,ケモカイン受容体によるリンパ球フェノタイプと涙腺・唾液腺以外の臓器障害の有無,血清IgG,IgG4,CRPなどの臨床的パラメータとの関連性を検討した.【結果】IgG4-RD(16例)の患者背景は,年齢60歳,罹病期間19ヶ月,血清IgG 2735 mg/dl,CRP 0.7 mg/dlで,腺症状のみが7例,涙腺・唾液腺以外の臓器障害を9例で認めた.健常人,IgG4-RD,SjS患者末梢血での古典的ヘルパーT細胞(Th1, Th2, Th17)のサブセット割合は差を認めなかった.一方IgG4-RD患者末梢血では,エフェクターT細胞,Tfh細胞,およびplasmablastの割合が有意に高く,さらにTfhはplasmablastの割合と相関していた.臨床所見に関してはIgGの上昇がエフェクターB細胞やplasmablastと相関した.さらに,涙腺・唾液腺以外に病変を有する重症度の高い群では,plasmablastとTfhの上昇が顕著であった.【結論】IgG4-RD末梢血ではエフェクターT細胞が特徴的に増加しており,B細胞の分化に関わるTfhと抗体産生性plasmablastが相関し,いずれも増加していた.さらにTfhとplasmablastが疾患の臓器障害進展にも関わる可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0911-4300 1349-7413 |
DOI: | 10.2177/jsci.38.352a |