術前経口補水療法は医療の安全と質を向上させる

術前の補水療法は,点滴による輸液(IVT)が行われてきたが,経口補水療法(ORT)に変えるとIVTに伴うリスクは消失する.術前ORTの導入により神奈川県立がんセンターにおける輸液関連のインシデントは減少した(IVT vs. ORT:27 vs. 15件/月,P=0.0003).術前ORT導入により医療業務が簡素化され,医師,薬剤師,看護師など多職種の業務負担の軽減となった.術前ORTを導入すると,医療収益(食事療養費)が発生する.術前ORTの導入により医療安全・医療の質が向上し,さらに医療業務の最適化により効率性と経済性が高まった....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 32; no. 3; pp. 317 - 324
Main Authors 柴田, 俊成, 藤田, 久栄, 高野, 修身, 谷口, 英喜, 佐々木, 俊郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2012
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.32.317

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Summary:術前の補水療法は,点滴による輸液(IVT)が行われてきたが,経口補水療法(ORT)に変えるとIVTに伴うリスクは消失する.術前ORTの導入により神奈川県立がんセンターにおける輸液関連のインシデントは減少した(IVT vs. ORT:27 vs. 15件/月,P=0.0003).術前ORT導入により医療業務が簡素化され,医師,薬剤師,看護師など多職種の業務負担の軽減となった.術前ORTを導入すると,医療収益(食事療養費)が発生する.術前ORTの導入により医療安全・医療の質が向上し,さらに医療業務の最適化により効率性と経済性が高まった.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.32.317