術後痛の予測・内因性鎮痛機構─内因性鎮痛からこれからの周術期疼痛管理を考える

ヒトが元来持つ内因性鎮痛機構は,慢性痛患者では減弱していることがわかっている.動物実験,ヒトにおける研究いずれからも内因性鎮痛の減弱と急性痛やその回復過程,術後痛の遷延化に関連があることが示唆されている.また,内因性鎮痛と鎮痛薬の鎮痛作用の発現との関連についても報告がある.われわれはこれまでの動物実験で,アミトリプチリンなどの薬剤が慢性痛状態での減弱した内因性鎮痛を改善することを報告した.内因性鎮痛を改善させることが急性痛の改善や痛みの遷延化を予防する手段となり得るかについて考察した....

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Bibliographic Details
Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 37; no. 5; pp. 648 - 652
Main Author 須藤, 貴史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2017
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.37.648

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Summary:ヒトが元来持つ内因性鎮痛機構は,慢性痛患者では減弱していることがわかっている.動物実験,ヒトにおける研究いずれからも内因性鎮痛の減弱と急性痛やその回復過程,術後痛の遷延化に関連があることが示唆されている.また,内因性鎮痛と鎮痛薬の鎮痛作用の発現との関連についても報告がある.われわれはこれまでの動物実験で,アミトリプチリンなどの薬剤が慢性痛状態での減弱した内因性鎮痛を改善することを報告した.内因性鎮痛を改善させることが急性痛の改善や痛みの遷延化を予防する手段となり得るかについて考察した.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.37.648