区域麻酔領域の最新臨床研究から考える次世代の周術期疼痛管理

これからの周術期疼痛管理で区域麻酔に求められる要件は,さらなる鎮痛の質および安全性の向上と予後改善への貢献である.単回の神経ブロックではリバウンドペインが話題である.持続投与法では自動間欠投与法が注目され,特に硬膜外無痛分娩での研究が盛んである.一方で各種神経ブロックにおける徐放性局所麻酔薬リポソームブピバカインの有用性が示されており,区域麻酔全般への使用拡大が期待される.医療安全面では誤った部位への神経ブロックが問題である.発生頻度は0.1%以下とされるが,ミスをなくすシステムの構築が必要である.悪性腫瘍再発や術後遷延痛と区域麻酔との関連性については,より大規模な前向き研究の結果が待たれる....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 38; no. 4; pp. 512 - 518
Main Author 村田, 寛明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.07.2018
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.38.512

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Summary:これからの周術期疼痛管理で区域麻酔に求められる要件は,さらなる鎮痛の質および安全性の向上と予後改善への貢献である.単回の神経ブロックではリバウンドペインが話題である.持続投与法では自動間欠投与法が注目され,特に硬膜外無痛分娩での研究が盛んである.一方で各種神経ブロックにおける徐放性局所麻酔薬リポソームブピバカインの有用性が示されており,区域麻酔全般への使用拡大が期待される.医療安全面では誤った部位への神経ブロックが問題である.発生頻度は0.1%以下とされるが,ミスをなくすシステムの構築が必要である.悪性腫瘍再発や術後遷延痛と区域麻酔との関連性については,より大規模な前向き研究の結果が待たれる.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.38.512