P3-13 新規ニッケルアレルギーモデルマウスを用いた炎症局所におけるNKT細胞の発現について
【目的】 金属アレルギーは遅延型反応の一つであるが,特異的なT細胞の同定や詳細な免疫応答は解明されていない.今回,Niアレルギーモデルマウスを製作し,Niアレルギー発症に関わる特異的T細胞を明らかにすることを目的とした. 【材料及び方法】 1)モデルマウス製作:BALB/c(6週齢,雌)各7匹の鼠径部へのNiCl2・LPS混合溶液の皮内注射で感作し,NiCl2溶液を足蹠に皮内注射することで誘導を行った.対照として,感作条件は同一で誘導時に生理食塩水を足蹠に皮内注射したBALB/c(6週齢,雌)7匹を用い,足蹠部腫脹の経時的変化及びT細胞浸潤の有無を解析した. 2)TCRレパトア解析:足蹠...
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Published in | 日本臨床免疫学会会誌 Vol. 36; no. 5; p. 385b |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床免疫学会
2013
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0911-4300 1349-7413 |
DOI | 10.2177/jsci.36.385b |
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Summary: | 【目的】 金属アレルギーは遅延型反応の一つであるが,特異的なT細胞の同定や詳細な免疫応答は解明されていない.今回,Niアレルギーモデルマウスを製作し,Niアレルギー発症に関わる特異的T細胞を明らかにすることを目的とした. 【材料及び方法】 1)モデルマウス製作:BALB/c(6週齢,雌)各7匹の鼠径部へのNiCl2・LPS混合溶液の皮内注射で感作し,NiCl2溶液を足蹠に皮内注射することで誘導を行った.対照として,感作条件は同一で誘導時に生理食塩水を足蹠に皮内注射したBALB/c(6週齢,雌)7匹を用い,足蹠部腫脹の経時的変化及びT細胞浸潤の有無を解析した. 2)TCRレパトア解析:足蹠と膝窩リンパ節の組織からTotal RNAを抽出し,各組織中に存在するT細胞のTCRレパトア解析を行った. 3)定量PCR法:NKT細胞関連分子及び産生サイトカインの発現解析を行った. 【結果】 誘導後24時間で足蹠部の腫脹は最大となり,1週間にかけて軽減した.T細胞浸潤は,誘導7日目で最大となった.免疫組織化学的解析により上皮基底層周囲にCD3+,CD4−,CD8−のT細胞浸潤を認めた.TCRレパトア解析により,局所炎症巣においてNKT細胞に特有のV family(Vα14Jα18,Vβ8-2)を持つinvariantなT細胞の増殖を認めた.さらにNKT細胞関連分子及びIFN-γ,TNF-α,t-betは誘導後7日目で高発現を認めた. 【結論】 NKT細胞がNiアレルギー局所炎症巣に集積し,TH1偏性の細胞障害性の免疫応答を行っていることが明らかになった. |
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ISSN: | 0911-4300 1349-7413 |
DOI: | 10.2177/jsci.36.385b |