周術期管理におけるカテコラミン
周術期患者の循環管理を考慮する際に,まず行うべきことは,疼痛刺激のコントロールである.疼痛が十分にコントロールされ循環血液量の適正化が行われた後も循環動態が不安定な周術期患者ではカテコラミンの使用が必要となる.周術期患者におけるショックに対してはノルアドレナリンが第一選択薬として推奨されている.また,周術期患者では,心機能低下が生じうることに留意する必要がある.循環動態が不安定な患者,特に輸液に反応の乏しい患者では,経胸壁心エコーを用いて心機能の確認を行う必要がある.心機能低下症例でノルアドレナリンの反応が乏しい患者では,ドブタミンやPDEⅢ阻害薬の使用を検討する....
Saved in:
Published in | 日本臨床麻酔学会誌 Vol. 40; no. 5; pp. 516 - 519 |
---|---|
Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床麻酔学会
15.09.2020
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0285-4945 1349-9149 |
DOI | 10.2199/jjsca.40.516 |
Cover
Summary: | 周術期患者の循環管理を考慮する際に,まず行うべきことは,疼痛刺激のコントロールである.疼痛が十分にコントロールされ循環血液量の適正化が行われた後も循環動態が不安定な周術期患者ではカテコラミンの使用が必要となる.周術期患者におけるショックに対してはノルアドレナリンが第一選択薬として推奨されている.また,周術期患者では,心機能低下が生じうることに留意する必要がある.循環動態が不安定な患者,特に輸液に反応の乏しい患者では,経胸壁心エコーを用いて心機能の確認を行う必要がある.心機能低下症例でノルアドレナリンの反応が乏しい患者では,ドブタミンやPDEⅢ阻害薬の使用を検討する. |
---|---|
ISSN: | 0285-4945 1349-9149 |
DOI: | 10.2199/jjsca.40.516 |