P3-008  免疫恒常性維持における転写因子Egr2/Egr3の役割

【目的】Early growth response gene-2(Egr2)および,Egr3はT細胞のアナジー誘導に必須の転写因子であり,互いに機能を補完すると考えられている.T細胞/B細胞特異的Egr2/Egr3コンディショナルダブルノックアウト(DKO)マウスが全身性エリテマトーデス(SLE)様病態を呈すること,またEGR2がSLEの疾患感受性遺伝子であることが報告され,自己免疫疾患発症制御機構におけるEgr2/Egr3の役割が注目されてきている.またEgr2は当研究室で同定したCD4+CD25-LAG3+制御性T細胞(LAG3+ Treg)のマスター制御遺伝子として機能すると考えられてお...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 37; no. 4; p. 344b
Main Authors 森田, 薫, 駒井, 俊彦, 岩崎, 由希子, 岡村, 僚久, 住友, 秀次, 山本, 一彦, 井上, 眞璃子, 藤尾, 圭志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2014
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ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.37.344b

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Summary:【目的】Early growth response gene-2(Egr2)および,Egr3はT細胞のアナジー誘導に必須の転写因子であり,互いに機能を補完すると考えられている.T細胞/B細胞特異的Egr2/Egr3コンディショナルダブルノックアウト(DKO)マウスが全身性エリテマトーデス(SLE)様病態を呈すること,またEGR2がSLEの疾患感受性遺伝子であることが報告され,自己免疫疾患発症制御機構におけるEgr2/Egr3の役割が注目されてきている.またEgr2は当研究室で同定したCD4+CD25-LAG3+制御性T細胞(LAG3+ Treg)のマスター制御遺伝子として機能すると考えられており,今回我々は自己免疫疾患発症機序におけるT細胞上のEgr2/Egr3の役割につき検討を行った.【方法】T細胞特異的Egr2単独欠損(CKO)マウス(Egr2fl/fl CD4-Cre+),Egr2/Egr3 DKOマウス(Egr2fl/fl Egr3fl/fl CD4-Cre+)を作製し,抗dsDNA抗体価測定,病理組織学的解析,フローサイトメトリー解析などを行った.さらに,Egr2/Egr3欠損LAG3+ Tregの機能解析も行った.【結果】T細胞特異的Egr2/Egr3 DKOマウスはEgr2 CKOマウスよりも早期から腎炎などのSLE様病態を呈し,罹患臓器も多岐に渡った.また,疾患活動性に相関して胚中心の過剰形成を認め,抗dsDNA抗体価の上昇も認めた.Egr2/Egr3を欠損したLAG3+ Tregはその機能異常を認めた.【結語】Egr2/Egr3はT細胞において互いの機能を補完しながらSLE様病態の発症抑制において重要な役割を果たしていると考えられた.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.37.344b