P8-002  PD-1欠損T-bet発現CD4+T細胞による全身性炎症病態の解析

【目的】T細胞の抑制性受容体であるprogrammed cell death-1(PD-1)分子が,CD4+T細胞の分化制御機構に与える影響を明らかにする.【方法】Th1細胞のマスター転写因子T-betをT細胞での過剰発現したT-betトランスジェニックマウス(T-bet Tg)とPD-1欠損マウス(PD-1KO)を交配してPD-1欠損T-bet Tgマウス(P/T)を作成し,P/Tマウスにおいて以下を検討した.1)成長状態および生存評価,2)各臓器の病理,3)FACSによる脾臓CD4+T細胞のサイトカイン産生及び転写因子発現,4)in vitroでのFoxp3+制御性T(Treg)細胞の分化...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 37; no. 4; p. 366b
Main Authors 金子, 駿太, 横澤, 将宏, 近藤, 裕也, 高橋, 智, 田原, 昌浩, 松本, 功, 坪井, 洋人, 1住田, 孝之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2014
Online AccessGet full text
ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.37.366b

Cover

More Information
Summary:【目的】T細胞の抑制性受容体であるprogrammed cell death-1(PD-1)分子が,CD4+T細胞の分化制御機構に与える影響を明らかにする.【方法】Th1細胞のマスター転写因子T-betをT細胞での過剰発現したT-betトランスジェニックマウス(T-bet Tg)とPD-1欠損マウス(PD-1KO)を交配してPD-1欠損T-bet Tgマウス(P/T)を作成し,P/Tマウスにおいて以下を検討した.1)成長状態および生存評価,2)各臓器の病理,3)FACSによる脾臓CD4+T細胞のサイトカイン産生及び転写因子発現,4)in vitroでのFoxp3+制御性T(Treg)細胞の分化誘導,5)RAG2欠損マウスへの脾細胞移入時の病態解析,を施行した.【結果】P/Tマウスにおいて,1)成長異常が認められ,生後10週程度で死亡,2)肝臓,膵臓,腸管で炎症性細胞浸潤,3)CD4+T細胞からのIFN-γ産生の増加及びFoxp3発現の著しい減少,4)CD4+T細胞からのFoxp3+Treg細胞への分化異常,5)P/Tマウスの脾細胞移入によるP/Tマウスと類似した炎症性細胞浸潤病変およびTh1細胞の増加およびFoxp3+Treg細胞の減少,が認められた.【結論】P/Tマウスの全身性炎症および早期死亡は,Th1細胞の増加とFoxp3+Treg細胞の著しい減少に起因している可能性が示唆された.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.37.366b