P7-030 関節リウマチにおいてベースライン14-3-3η低値はtocilizumabによる1年後のDAS28-ESR寛解達成を予測する
【目的】14-3-3ηは200以上の細胞内タンパクに関係する細胞内シャペロンである,関節リウマチ(RA)では関節液および血清中にも出現する.そこで14-3-3ηに注目し,RA治療開始後の臨床的アウトカムとの関係を検討した.【成績】当科で治療導入したRA患者99(adalimumab; ADA 49,tocilizumab; TCZ 50)例で,Baseline(BL)と1年後の血清14-3-3ηをELISA法で測定し,BLと1年後の種々の臨床的指標との関係を検討した.【結果】背景中央値は年齢63歳,罹病期間76ヶ月,DAS28ESR 5.3,RF陽性82%,ACPA陽性90%で,ADA群と...
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Published in | 日本臨床免疫学会会誌 Vol. 38; no. 4; p. 362b |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床免疫学会
2015
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0911-4300 1349-7413 |
DOI | 10.2177/jsci.38.362b |
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Summary: | 【目的】14-3-3ηは200以上の細胞内タンパクに関係する細胞内シャペロンである,関節リウマチ(RA)では関節液および血清中にも出現する.そこで14-3-3ηに注目し,RA治療開始後の臨床的アウトカムとの関係を検討した.【成績】当科で治療導入したRA患者99(adalimumab; ADA 49,tocilizumab; TCZ 50)例で,Baseline(BL)と1年後の血清14-3-3ηをELISA法で測定し,BLと1年後の種々の臨床的指標との関係を検討した.【結果】背景中央値は年齢63歳,罹病期間76ヶ月,DAS28ESR 5.3,RF陽性82%,ACPA陽性90%で,ADA群とTCZ群で罹病期間,MTX併用率,Sharp-vdH score(SHS)で差があった.BLにおける14-3-3η濃度は,BLの疾患活動性(DAS28, CDAI, SDAI),急性炎症反応(CRP, ESR),関節破壊(SHS),血清反応(RF濃度,ACPA濃度)のいずれとも有意に相関した.また治療によりBL 0.70 ng/mlから1年後0.37 ng/mlにに低下した(p < 0.0001).1年後のDAS28-ESR寛解(η 2.6)に対するBL 14-3-3ηカットオフ値(0.32 ng/ml)をROC解析により設定し層別化すると,1年後の寛解達成率はADAではBL 14-3-3η低値群40%(8/12),高値群59%(12/29)であった(p = 0.20)が,TCZでは低値群77%(10/13),高値群37%(10/27)とBL14-3-3η低値群で有意(p = 0.0007)に高かった.【結論】BL 14-3-3η低値の場合,tocilizumabによる1年後の臨床的寛解を達成しやすいこと示された. |
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ISSN: | 0911-4300 1349-7413 |
DOI: | 10.2177/jsci.38.362b |