P1-12 セクキヌマブで制御しえた尋常性乾癬合併の治療抵抗性ループス腎炎の一例

  X-31年に尋常性乾癬と診断された62歳女性.X-11年,SLE,Lupus腎炎(LN WHO3A型)と診断され,ステロイド(CS)大量療法とCyclosporineA(CsA)にて寛解しGCはmPSL 4 mg/日まで漸減.X-1年CsAによる薬剤性腎障害が疑われCsAは漸減され,X年5月CsA中止後,乾癬・腎機能障害が増悪し7月入院.重度の乾癬(PASI 12点),LN(INS/RPS分類4G(A/C)+5型)による腎機能障害・ネフローゼ症候群を呈する,高疾患活動性のSLE(SLEDAI 16点,BILAG A1, B2, C1項目)に対しCS大量療法とIVCYを開始.しかし治療抵抗性...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 40; no. 4; p. 300d
Main Authors 中山田, 真吾, 宮川, 一平, 久保, 智史, 吉成, 紘子, 岩田, 慈, 佐藤, 友梨恵, 中野, 和久, 宮崎, 佑介, 田中, 良哉, 好川, 真以子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2017
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ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.40.300d

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Summary:  X-31年に尋常性乾癬と診断された62歳女性.X-11年,SLE,Lupus腎炎(LN WHO3A型)と診断され,ステロイド(CS)大量療法とCyclosporineA(CsA)にて寛解しGCはmPSL 4 mg/日まで漸減.X-1年CsAによる薬剤性腎障害が疑われCsAは漸減され,X年5月CsA中止後,乾癬・腎機能障害が増悪し7月入院.重度の乾癬(PASI 12点),LN(INS/RPS分類4G(A/C)+5型)による腎機能障害・ネフローゼ症候群を呈する,高疾患活動性のSLE(SLEDAI 16点,BILAG A1, B2, C1項目)に対しCS大量療法とIVCYを開始.しかし治療抵抗性で腎機能障害は進行した.フローサイトメトリーにて末梢血活性化 Th17細胞の増加と,腎生検組織にて腎間質への多数のIL-17陽性リンパ球浸潤を確認し,Th17細胞が中心的に関与する病態と判断し抗IL-17A抗体セクキヌマブを導入した.その結果末梢血活性化Th17細胞は減少し,ネフローゼ症候群,腎機能は改善した.SLEの病態形成にTh17細胞の関与が指摘されているがIL-17標的治療の報告は無い.本例は,セクキヌマブ投与により,SLEの病態の改善と末梢血活性化Th17細胞の減少の動向が一致し,Th17細胞が中心的に関与するSLE亜群の存在と,IL-17標的治療の有効性を直接的に示唆した初めての報告である.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.40.300d