硬膜外麻酔の合併症症例

硬膜外麻酔はその有用性から長い間標準的な区域麻酔として周術期に使用されてきた.しかし,硬膜外麻酔には常に合併症のリスクもある.合併症の多くは,悪心・嘔吐,低血圧,尿閉など比較的軽度で投与している薬剤の減量や中止で対処可能なものであるが,硬膜外血腫,硬膜外膿瘍など,まれではあっても重篤な合併症も起こりうる.本稿では,自施設で発生したものや,日本で発生し誌上や学会で報告された硬膜外麻酔・ブロックの合併症症例を紹介した.さまざまな合併症が起こりうるので,早期発見・対処するために教育と周術期管理体制の充実が重要である....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 40; no. 3; pp. 301 - 307
Main Authors 佐倉, 伸一, 原, かおる
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.05.2020
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.40.301

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Summary:硬膜外麻酔はその有用性から長い間標準的な区域麻酔として周術期に使用されてきた.しかし,硬膜外麻酔には常に合併症のリスクもある.合併症の多くは,悪心・嘔吐,低血圧,尿閉など比較的軽度で投与している薬剤の減量や中止で対処可能なものであるが,硬膜外血腫,硬膜外膿瘍など,まれではあっても重篤な合併症も起こりうる.本稿では,自施設で発生したものや,日本で発生し誌上や学会で報告された硬膜外麻酔・ブロックの合併症症例を紹介した.さまざまな合併症が起こりうるので,早期発見・対処するために教育と周術期管理体制の充実が重要である.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.40.301