O-4 乾癬性関節炎に対する生物学的製剤治療の最適化
【背景】近年,乾癬性関節炎(PsA)に対する生物学的製剤の高い有効性が報告されている.しかし,個々の症例毎の薬剤選択法は確立されていない.【方法】PsA26症例において8カラーフローサイトメトリー(FACS)を用いた末梢血リンパ球解析を行い生物学的製剤治療最適化の可能性を検討した.【結果】PsA26症例は,CXCR3+CCR6−CD38+HLA-DR+activated Th1 cell優位型(6例),CXCR3−CCR6+ CD38+HLA-DR+activated Th17 cell優位型(10例),両者亢進型(4例),両者正常型(6例)の4群に分類され,activated Th1 cel...
Saved in:
Published in | 日本臨床免疫学会会誌 Vol. 40; no. 4; p. 296d |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床免疫学会
2017
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0911-4300 1349-7413 |
DOI | 10.2177/jsci.40.296d |
Cover
Summary: | 【背景】近年,乾癬性関節炎(PsA)に対する生物学的製剤の高い有効性が報告されている.しかし,個々の症例毎の薬剤選択法は確立されていない.【方法】PsA26症例において8カラーフローサイトメトリー(FACS)を用いた末梢血リンパ球解析を行い生物学的製剤治療最適化の可能性を検討した.【結果】PsA26症例は,CXCR3+CCR6−CD38+HLA-DR+activated Th1 cell優位型(6例),CXCR3−CCR6+ CD38+HLA-DR+activated Th17 cell優位型(10例),両者亢進型(4例),両者正常型(6例)の4群に分類され,activated Th1 cell優位型にustekinumab,activated Th17 cell優位型にsecukinumab,両者亢進型にsecukinumab or TNF阻害薬,両者正常型にTNF阻害薬を導入したところ,導入後6か月後,SDAI: 15.7→3.21,PASI: 7.46→2.81と有意に低下した.24症例がSDAI低疾患活動性を達成した.さらに8カラーFACSを用いず生物学的製剤を導入したPsA38症例と比較すると,8カラーFACS実施群で6か月後のSDAI低疾患活動性到達率は有意に高かった.【結論】PsAに対するリンパ球解析による生物学的製剤治療の最適化が期待された. |
---|---|
ISSN: | 0911-4300 1349-7413 |
DOI: | 10.2177/jsci.40.296d |