W1-4  トシリズマブおよびアバタセプト投与関節リウマチ患者の末梢血単核球サブセットの検討

【目的】トシリズマブ(TCZ)およびアバタセプト(ABT)投与関節リウマチ(RA)患者における末梢血単核球サブセットと活性化マーカーの変動および臨床効果との関連を対比し明らかにすること.【方法】当院でTCZおよびABTを導入した,生物学的製剤使用歴のないRA患者39例と49例の投与前,投与後24週,TCZのみ52週までの末梢血単核球を細胞表面染色後,フローサイトメトリーで解析した.【結果】投与前のTCZ群およびABT群の平均年齢は54.8歳および65.8歳(p<0.01),平均SDAIは21.1および23.7(p=0.33),MTX併用率は30.8%および70.6%(p<0.01)であった.T...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 37; no. 4; p. 304b
Main Authors 吉本, 桂子, 鈴木, 勝也, 菊池, 潤, 橋詰, 美里, 竹内, 勤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2014
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ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.37.304b

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Summary:【目的】トシリズマブ(TCZ)およびアバタセプト(ABT)投与関節リウマチ(RA)患者における末梢血単核球サブセットと活性化マーカーの変動および臨床効果との関連を対比し明らかにすること.【方法】当院でTCZおよびABTを導入した,生物学的製剤使用歴のないRA患者39例と49例の投与前,投与後24週,TCZのみ52週までの末梢血単核球を細胞表面染色後,フローサイトメトリーで解析した.【結果】投与前のTCZ群およびABT群の平均年齢は54.8歳および65.8歳(p<0.01),平均SDAIは21.1および23.7(p=0.33),MTX併用率は30.8%および70.6%(p<0.01)であった.TCZ群はCD4+T細胞中のTreg割合が増加し,疾患活動性の変動と逆相関を示した.また,Treg上のHLA-DR発現が亢進し,B細胞中のmemory B細胞分画の割合および単球中のCD16+CD14+単球の割合が減少した.一方,ABT群はTregを含めたCD4+T細胞の活性化が全般的に低下し,Th1上のHLA-DR発現割合が疾患活動性と相関した.【結論】TCZはIL-6経路阻害によりFoxP3発現を亢進しTreg分化を促進する可能性が考えられた.一方,ABTはCD28経路阻害によりTreg分化を抑制するが,他のT細胞機能抑制により臨床効果を得る可能性が示唆された.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.37.304b