麻酔科医の治療へのかかわり─放射線治療を例にして

以前から麻酔科医は周術期管理や疼痛治療の専門家として活躍してきた.緩和医療においても,麻酔科医はその技能を発揮することにより,療養中の疼痛管理だけでなく他科の緩和的治療を支援することもできる.例えば,放射線治療の際に骨転移痛のために体位が保てない患者へは,持続硬膜外ブロックを行うことで治療の完遂が可能になる.麻酔科医が活躍の場をさらに広げていくためには,主治医との連携によるニーズの把握と提供できる技術の他科への提案が必要である.マンパワー不足のような解決すべき課題もあるが,麻酔科医は専門性を生かして他科治療にかかわることで,緩和医療のみならずがん治療の発展に今まで以上に貢献できると確信する....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 35; no. 5; pp. 668 - 672
Main Author 山縣, 克之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2015
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Summary:以前から麻酔科医は周術期管理や疼痛治療の専門家として活躍してきた.緩和医療においても,麻酔科医はその技能を発揮することにより,療養中の疼痛管理だけでなく他科の緩和的治療を支援することもできる.例えば,放射線治療の際に骨転移痛のために体位が保てない患者へは,持続硬膜外ブロックを行うことで治療の完遂が可能になる.麻酔科医が活躍の場をさらに広げていくためには,主治医との連携によるニーズの把握と提供できる技術の他科への提案が必要である.マンパワー不足のような解決すべき課題もあるが,麻酔科医は専門性を生かして他科治療にかかわることで,緩和医療のみならずがん治療の発展に今まで以上に貢献できると確信する.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.35.668