P1-020 関節リウマチ患者滑液のプロテオミクス解析によってハイライトされた,異常な骨・代謝関連蛋白プロファイル
【背景・目的】疾患の病態解明,バイオマーカーを探索するためにプロテオミクス解析への関心が高まってきている.本研究の目的は,アプタマーを用いた新規プロテオミクス手法を用いて,関節リウマチ(RA)患者の滑液,血液の蛋白プロファイルの違いを明らかにすることである.【方法】10例の未治療RA,および変形性関節症(OA)の患者から滑液を採取し,血液は30例の未治療RA,および健常人から採取した.核酸アプタマー(SOMAscan Assay; Somalogic Inc. CO, USA)を用いて1128蛋白を定量的に測定した.Ingenuity Pathway Analysisデータベースを用いて,...
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Published in | 日本臨床免疫学会会誌 Vol. 38; no. 4; p. 318b |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床免疫学会
2015
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ISSN | 0911-4300 1349-7413 |
DOI | 10.2177/jsci.38.318b |
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Summary: | 【背景・目的】疾患の病態解明,バイオマーカーを探索するためにプロテオミクス解析への関心が高まってきている.本研究の目的は,アプタマーを用いた新規プロテオミクス手法を用いて,関節リウマチ(RA)患者の滑液,血液の蛋白プロファイルの違いを明らかにすることである.【方法】10例の未治療RA,および変形性関節症(OA)の患者から滑液を採取し,血液は30例の未治療RA,および健常人から採取した.核酸アプタマー(SOMAscan Assay; Somalogic Inc. CO, USA)を用いて1128蛋白を定量的に測定した.Ingenuity Pathway Analysisデータベースを用いて,RA滑液,血液中に高,もしくは低発現している蛋白の解析結果を比較した.【結果】炎症関連の蛋白シグナルパスウェイはRA患者滑液,血液どちらとも関連性が見られたが,骨・軟骨代謝シグナルパスウェイとの関連はRA滑液蛋白でのみ認められた.骨・軟骨形成に関わるBMP6, 7(OP-1 family),オステオプロテジェリンはOAと比較してRA滑液中で減少しており,RA炎症関節中では骨軟骨形成の阻害,骨吸収の促進が同時に起こっていると推定された.一方,Wntシグナルを抑制的に制御するDkk1, 4もRA滑液中では減少していた.【結論】RA滑液の新規プロテオミクス解析により,炎症関節内における異常な骨代謝,軟骨形成に関わる蛋白群がハイライトされた.滑液検体を用いた蛋白解析は関節炎に特異的な病態,バイオマーカー探索に有用と考えられた. |
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ISSN: | 0911-4300 1349-7413 |
DOI: | 10.2177/jsci.38.318b |