P2-094 シクロホスファミドはSLEにおいて形質芽球を優位にかつ速やかに抑制する
【目的】全身性エリテマトーデス(SLE)の臨床においてシクロホスファミド(CY)は基本的治療の1つであるが,その詳細な作用機序は必ずしも明らかではない.本研究は,SLEにおけるCYのin vivoおよびin vitroの作用を解析することを目的とした. 【方法】新規発症または再燃・治療強化目的で入院したSLE患者で,新たにCYパルス療法(体表面積あたり0.5 g/m2,4週毎)およびステロイド高用量を受けた13例を対象とした.治療前,CYパルス療法初回の2週後,8週後(2回目パルスの4週後)に末梢血からPBMCを採取し,B細胞亜集団の比率をFACSで解析した.健常人末梢血からCD19陽性B細胞...
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Published in | 日本臨床免疫学会会誌 Vol. 35; no. 4; p. 373b |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床免疫学会
2012
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ISSN | 0911-4300 1349-7413 |
DOI | 10.2177/jsci.35.373b |
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Summary: | 【目的】全身性エリテマトーデス(SLE)の臨床においてシクロホスファミド(CY)は基本的治療の1つであるが,その詳細な作用機序は必ずしも明らかではない.本研究は,SLEにおけるCYのin vivoおよびin vitroの作用を解析することを目的とした. 【方法】新規発症または再燃・治療強化目的で入院したSLE患者で,新たにCYパルス療法(体表面積あたり0.5 g/m2,4週毎)およびステロイド高用量を受けた13例を対象とした.治療前,CYパルス療法初回の2週後,8週後(2回目パルスの4週後)に末梢血からPBMCを採取し,B細胞亜集団の比率をFACSで解析した.健常人末梢血からCD19陽性B細胞を採取し,CpG ODN+IL-2+IL-10で刺激し,一部はCYの活性体である4-hydroperoxycyclophosphamide (4-HC)を加えて培養した.B細胞の増殖・分化,およびIgM・IgGの産生を解析した. 【結果】SLE患者において初回CY投与後2週間の時点で,形質芽球(plasmablast)が既に優位に減少していた.培養B細胞の増殖は4-HCによって有意かつ濃度依存性に抑制された.無刺激および4-HC添加細胞では,形質芽球の割合が有意に低下していた.4-HC添加によって,IgM・IgGの産生が有意かつ濃度依存性に抑制された. 【結論】CYは形質芽球の活性化や生存率を優位にかつ速やかに抑制した.CYのSLEに対する治療効果の少なくとも一端はこの機序によると考えられた. |
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ISSN: | 0911-4300 1349-7413 |
DOI: | 10.2177/jsci.35.373b |