特殊病態や状態下での使用:神経・筋疾患患者

デスフルランは血液/ガス分配係数が0.45と亜酸化窒素並みに小さく,麻酔の導入,覚醒が速やかである.また生体内代謝率が0.02%と低く,生体内で安定している.これらのことは,術後呼吸不全のリスクが大きい神経・筋疾患患者の麻酔管理において重要なポイントとなる.デスフルランは単独でも筋弛緩作用を持ち,筋弛緩薬の効果を増強することが知られているが,重症筋無力症(MG)患者ではその傾向はより強くなる.しかしMG患者に筋弛緩薬を使用せずに麻酔管理する場合に,覚醒が早く筋弛緩作用のあるデスフルランは,手術を安全に行うためには有効な麻酔薬である....

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Bibliographic Details
Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 36; no. 5; pp. 623 - 625
Main Author 小林, 求
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2016
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.36.623

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Summary:デスフルランは血液/ガス分配係数が0.45と亜酸化窒素並みに小さく,麻酔の導入,覚醒が速やかである.また生体内代謝率が0.02%と低く,生体内で安定している.これらのことは,術後呼吸不全のリスクが大きい神経・筋疾患患者の麻酔管理において重要なポイントとなる.デスフルランは単独でも筋弛緩作用を持ち,筋弛緩薬の効果を増強することが知られているが,重症筋無力症(MG)患者ではその傾向はより強くなる.しかしMG患者に筋弛緩薬を使用せずに麻酔管理する場合に,覚醒が早く筋弛緩作用のあるデスフルランは,手術を安全に行うためには有効な麻酔薬である.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.36.623