大阪ボイスセンターにおける喉頭微細手術のやり方

「はじめに」音声障害は器質性音声障害と機能性音声障害に大別できるが, 声帯ポリープなど声帯膜様部に器質的な異常が認められる場合には, 手術治療が適応となることが多い. その中でも喉頭微細手術は, 音声外科手術の中でも最も一般的な手術方法のひとつであると言える. 全身麻酔下に手術用顕微鏡を用いて, 声帯ポリープなどの器質的病変を切除する方法として, 1966年の斉藤らの報告が現在の喉頭微細手術の原型となっている. 声帯の病変を切除する方法には, 局所麻酔下に間接喉頭鏡を用いた方法やファイバースコープを用いた方法なども報告されているが, それぞれ一長一短を有する. しかし, 音声改善を目的とする手...

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Published in喉頭 Vol. 27; no. 2; pp. 81 - 85
Main Author 望月, 隆一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本喉頭科学会 2015
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ISSN0915-6127
2185-4696
DOI10.5426/larynx.27.81

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Summary:「はじめに」音声障害は器質性音声障害と機能性音声障害に大別できるが, 声帯ポリープなど声帯膜様部に器質的な異常が認められる場合には, 手術治療が適応となることが多い. その中でも喉頭微細手術は, 音声外科手術の中でも最も一般的な手術方法のひとつであると言える. 全身麻酔下に手術用顕微鏡を用いて, 声帯ポリープなどの器質的病変を切除する方法として, 1966年の斉藤らの報告が現在の喉頭微細手術の原型となっている. 声帯の病変を切除する方法には, 局所麻酔下に間接喉頭鏡を用いた方法やファイバースコープを用いた方法なども報告されているが, それぞれ一長一短を有する. しかし, 音声改善を目的とする手術は病変部分を過不足なく切除し, 良好な創傷治癒を目指すことが基本的な大前提である. そのため声帯を静止させた状態で拡大して観察し手術操作の出来る喉頭微細手術は最も安全で確実な手術方法であると言える.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx.27.81