小児の周術期鎮痛法 ─超音波ガイド下体幹部末梢神経ブロックを用いて

周術期鎮痛の原則は年齢を問わず,「区域鎮痛法をできる限り用いオピオイドの使用量を最少にする」である.腹部手術時の区域鎮痛法として成人で代表的な硬膜外鎮痛法は,小児では成人より熟練が要求されるため施設により施行頻度は異なる.一方,超音波ガイド下法の普及により全年齢で施行頻度が増えつつあるのが体幹部末梢神経ブロックである.良好な周術期鎮痛のために大切なのは,手術創に最適なブロックを選び内臓痛への配慮を忘れないことである.また,小児特有の薬物動態も考慮すべきである.解決されるべき課題は成人同様に多いが,超音波ガイド下体幹部末梢神経ブロックは小児においても多様式鎮痛法の一方法として期待できる....

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Bibliographic Details
Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 35; no. 3; pp. 325 - 335
Main Author 紫藤, 明美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2015
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.35.325

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Summary:周術期鎮痛の原則は年齢を問わず,「区域鎮痛法をできる限り用いオピオイドの使用量を最少にする」である.腹部手術時の区域鎮痛法として成人で代表的な硬膜外鎮痛法は,小児では成人より熟練が要求されるため施設により施行頻度は異なる.一方,超音波ガイド下法の普及により全年齢で施行頻度が増えつつあるのが体幹部末梢神経ブロックである.良好な周術期鎮痛のために大切なのは,手術創に最適なブロックを選び内臓痛への配慮を忘れないことである.また,小児特有の薬物動態も考慮すべきである.解決されるべき課題は成人同様に多いが,超音波ガイド下体幹部末梢神経ブロックは小児においても多様式鎮痛法の一方法として期待できる.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.35.325