P2-007 関節リウマチにおける抗酸菌HSP70と自己抗原BiPに対する免疫応答の関連
【背景】関節リウマチ(RA)患者においては自己抗原BiP特異的エフェクターT細胞応答が亢進し自己免疫の誘導に関与するが,その誘因は不明であった.BiPはheat shock protein(HSP)70ファミリーに属し微生物HSP70との分子相同性がある.【方法】健常人,RA患者血清中の抗HSP抗体をELISAで測定した.健常人,RA末梢血PBMCとMycobacterium(Myc)HSP70由来ペプチドを共培養し増殖を3H-サイミジン取込法で測定した.MycHSP70をHLA-DR4トランスジェニックマウスに免疫し血清抗体価測定,CD4+T細胞増殖を測定した.コラーゲン誘導性関節炎(C...
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Published in | 日本臨床免疫学会会誌 Vol. 38; no. 4; p. 322a |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床免疫学会
2015
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0911-4300 1349-7413 |
DOI | 10.2177/jsci.38.322a |
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Summary: | 【背景】関節リウマチ(RA)患者においては自己抗原BiP特異的エフェクターT細胞応答が亢進し自己免疫の誘導に関与するが,その誘因は不明であった.BiPはheat shock protein(HSP)70ファミリーに属し微生物HSP70との分子相同性がある.【方法】健常人,RA患者血清中の抗HSP抗体をELISAで測定した.健常人,RA末梢血PBMCとMycobacterium(Myc)HSP70由来ペプチドを共培養し増殖を3H-サイミジン取込法で測定した.MycHSP70をHLA-DR4トランスジェニックマウスに免疫し血清抗体価測定,CD4+T細胞増殖を測定した.コラーゲン誘導性関節炎(CIA)マウス発症直前にMycHSP70ペプチドを内服させ関節炎スコアを観察した.【結果】RA患者では抗MycHSP70抗体価が健常人より有意に高値であり,抗BiP抗体価と相関した.MycHSP70由来HLA-DR4エピトープとしてMycHSP70 287-306を同定した.MycHSP70 287-306はRA PBMC増殖を誘導し,またBiP 336-355エピトープによるPBMC増殖と強い相関を示した.この2つのエピトープは配列におけるP2, P4, P7を共有した.MycHSP70免疫によりBiP反応性T細胞,抗BiP抗体が誘導され,MycHSP70 287-306ペプチド投与によりCIAは改善した.【結論】環境中の抗酸菌曝露により,T細胞エピトープレベルでの分子相同性を介して自己免疫応答を誘導することが,RAの病因のひとつと考えられた. |
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ISSN: | 0911-4300 1349-7413 |
DOI: | 10.2177/jsci.38.322a |