21世紀におけるカテーテルアブレーション治療の新たな夜明け
「I. 20世紀におけるカテーテルアブレーションの進歩」 1980年代初頭, 虚血性心疾患の分野ではすでにPCI(経皮的冠動脈形成術)が開始されていたが, 頻脈性不整脈の分野では従来通りの抗不整脈薬治療のみが治療手段であった. 1982年, 米国において, 頻脈性心房細動に対する, 房室接合部への直流通電によるカテーテルアブレーションが初めて行われた. その後, アブレーションエネルギーは, 高エネルギー直流通電から高周波通電へと変化し, 有意の激痛を伴わない焼灼が可能となったため, 複数回のアブレーションによる治療ができるようになった. 以来, カテーテルアブレーションの適応は頻脈性心房細動...
Saved in:
Published in | 心電図 Vol. 31; no. 4; pp. 337 - 338 |
---|---|
Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本不整脈心電学会
2011
日本心電学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0285-1660 1884-2437 |
DOI | 10.5105/jse.31.337 |
Cover
Loading…
Summary: | 「I. 20世紀におけるカテーテルアブレーションの進歩」 1980年代初頭, 虚血性心疾患の分野ではすでにPCI(経皮的冠動脈形成術)が開始されていたが, 頻脈性不整脈の分野では従来通りの抗不整脈薬治療のみが治療手段であった. 1982年, 米国において, 頻脈性心房細動に対する, 房室接合部への直流通電によるカテーテルアブレーションが初めて行われた. その後, アブレーションエネルギーは, 高エネルギー直流通電から高周波通電へと変化し, 有意の激痛を伴わない焼灼が可能となったため, 複数回のアブレーションによる治療ができるようになった. 以来, カテーテルアブレーションの適応は頻脈性心房細動に対する房室結節ブロック作成術のみから, 房室リエントリー性頻拍における副伝導路焼灼術, 房室結節リエントリー性頻拍における遅伝導路焼灼術, 通常型心房粗動における三尖弁-下大静脈間峡部焼灼術, 異所性心房頻拍焼灼術, 流出路特発性心室頻拍起源の焼灼術, 特発性左室リエントリー性頻拍の異常プルキンエネットワーク焼灼術へと, その適応は瞬く間に広がった. |
---|---|
ISSN: | 0285-1660 1884-2437 |
DOI: | 10.5105/jse.31.337 |