P6-001  CD4陽性CD25陰性LAG3陽性制御性T細胞による自己抗体産生制御機構

【背景・目的】全身性エリテマトーデス(SLE)の病態形成には,免疫寛容破綻によるB細胞活性化および自己抗体産生と,自己反応性T細胞の活性化が関与していると考えられている.近年,T細胞特異的early growth response gene-2(Egr2)コンディショナルノックアウト(CKO)マウスがSLE様の病態を呈すること,また,EGR2はSLE感受性遺伝子の一つであることが報告され,SLE発症機序におけるEgr2の関与が強く示唆されている.当研究室では,転写因子Egr2を特異的に発現するCD4陽性CD25陰性LAG3陽性制御性T細胞(以下,LAG3+ Treg)を報告しており,今回我々は...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 37; no. 4; p. 356a
Main Authors 藤尾, 圭志, 岩崎, 由希子, 駒井, 俊彦, 渋谷, 美穂子, 森田, 薫, 井上, 眞璃子, 庄田, 宏文, 住友, 秀次, 山本, 一彦, 岡村, 僚久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2014
Online AccessGet full text
ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.37.356a

Cover

More Information
Summary:【背景・目的】全身性エリテマトーデス(SLE)の病態形成には,免疫寛容破綻によるB細胞活性化および自己抗体産生と,自己反応性T細胞の活性化が関与していると考えられている.近年,T細胞特異的early growth response gene-2(Egr2)コンディショナルノックアウト(CKO)マウスがSLE様の病態を呈すること,また,EGR2はSLE感受性遺伝子の一つであることが報告され,SLE発症機序におけるEgr2の関与が強く示唆されている.当研究室では,転写因子Egr2を特異的に発現するCD4陽性CD25陰性LAG3陽性制御性T細胞(以下,LAG3+ Treg)を報告しており,今回我々は,Fas変異遺伝子lprを有するSLEモデルMRL/lprマウスを用いてSLE病態形成におけるLAG3+ Tregの機能解析を行った.【方法・結果】lpr変異遺伝子を有さないMRL/+ LAG3+ TregのMRL/lprマウスへの養子移入は,MRL/lprマウスにおける抗dsDNA抗体価および腎炎の進行を著しく抑制した.一方,MRL/+ CD4+CD25+ Tregを始めとする各種T細胞サブセットの養子移入は治療効果を認めなかった.さらに,C57BL/6バックグラウンドマウスを用いた実験系では,B6/lprマウスおよびEgr2 CKOマウスから回収したLAG3+ Tregは野生型LAG3+ Tregと比して,抑制性サイトカイン産生能およびB細胞抑制能が著しく減弱していた.【考察】以上の結果より,LAG3+ TregはEgr2およびFas依存性に自己抗体産生を制御し,SLE病態形成抑制において中心的役割を果たすと考えられた.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.37.356a