P1-40 RA患者における末梢血,関節滑膜中のTh22細胞の分布と病態との関連

  【目的】RA病態におけるTh22細胞の意義は不明である.今回,RA患者末梢血及び滑膜組織におけるTh22細胞の分布と病態の関連を解析した.【方法】活動期RA患者80例と健常人(HC)14例の末梢血ヘルパーT細胞サブセットをフローサイトメトリーにて検出し,臨床兆候や検査所見との関連を解析した.bDMARDs導入24週後のRA患者48例における治療前後のT細胞サブセットを比較した.RA,変形性関節症(OA)患者関節滑膜を用いてTh22細胞とTh22細胞が発現するケモカイン受容体のリガンド(CCL17,CCL20,CCL28)の局在を比較した.【結果】RA患者末梢血ではHCと比しTh1,Th17...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 39; no. 4; p. 394b
Main Authors 山形, 薫, 田中, 良哉, 中野, 和久, 好川, 真以子, 宮崎, 佑介, 中山田, 真吾, 久保, 智史, 阪田, 圭, 齋藤, 和義, 宮川, 一平, 岩田, 慈, 河邉, 明男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2016
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ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.39.394b

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Summary:  【目的】RA病態におけるTh22細胞の意義は不明である.今回,RA患者末梢血及び滑膜組織におけるTh22細胞の分布と病態の関連を解析した.【方法】活動期RA患者80例と健常人(HC)14例の末梢血ヘルパーT細胞サブセットをフローサイトメトリーにて検出し,臨床兆候や検査所見との関連を解析した.bDMARDs導入24週後のRA患者48例における治療前後のT細胞サブセットを比較した.RA,変形性関節症(OA)患者関節滑膜を用いてTh22細胞とTh22細胞が発現するケモカイン受容体のリガンド(CCL17,CCL20,CCL28)の局在を比較した.【結果】RA患者末梢血ではHCと比しTh1,Th17,Treg細胞は差が無かったが,CCR4+CCR6+CCR10+Th22細胞の割合は減少し,Th22細胞の割合のみ疾患活動性と負に相関した.bDMARDs導入24週後,RA患者の疾患活動性は改善したが,Th1,Th17,Tfh,Treg細胞の変化がなく,Th22細胞の割合のみ増加した.OA滑膜にTh22細胞とリガンドはほとんど存在しなかった.RA滑膜にはTh22細胞が多く浸潤し,リガンドの高発現を認め,共に高疾患活動性の症例で顕著であった.【結論】Th22細胞は活動期RA患者において末梢血で減少し滑膜組織により多く浸潤していた.末梢血Th22細胞の割合はbDMARDs療法による疾患活動性改善に伴い正常に復した.Th22細胞がCCR4,CCR6,CCR10を発現することで,CCL20等のリガンドを高発現する活動期RA患者の滑膜組織へ集積し,炎症病態形成に関与している可能性を示唆した.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.39.394b