P4-018 遺伝子改変ヒトiPS細胞由来マクロファージ様細胞を用いた進行期悪性黒色腫の免疫療法

  進行期メラノーマに対する免疫細胞療法としてAdoptive cell transferの効果が示されてきたが,患者毎のTumor infiltrating lymphocytesの準備は容易ではなく汎用化が困難である.そこで我々はiPS細胞をソースとした免疫細胞療法を提案する.iPS細胞を用いる事で治療に必要な十分数の細胞が準備でき遺伝子改変で細胞に機能を持たせる事ができる.遺伝子改変でI型IFN産生能を持たせたヒトiPS細胞由来マクロファージ(MP)様細胞を用い,メラノーマに対する有効性をヒトメラノーマxeno-graft modelで検討した.iPS細胞から分化誘導したミエロイド系細胞...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 38; no. 4; p. 337b
Main Authors 福島, 聡, 千住, 覚, 西村, 泰治, 中原, 智史, 尹, 浩信, 神人, 正寿, 久保, 洋介, 宮下, 梓, 徳澄, 亜紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2015
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ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.38.337b

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Summary:  進行期メラノーマに対する免疫細胞療法としてAdoptive cell transferの効果が示されてきたが,患者毎のTumor infiltrating lymphocytesの準備は容易ではなく汎用化が困難である.そこで我々はiPS細胞をソースとした免疫細胞療法を提案する.iPS細胞を用いる事で治療に必要な十分数の細胞が準備でき遺伝子改変で細胞に機能を持たせる事ができる.遺伝子改変でI型IFN産生能を持たせたヒトiPS細胞由来マクロファージ(MP)様細胞を用い,メラノーマに対する有効性をヒトメラノーマxeno-graft modelで検討した.iPS細胞から分化誘導したミエロイド系細胞にC-MYCを導入し樹立したミエロイド系細胞ライン(iPS-ML)はM-CSF存在下に培養するとMP様細胞となる.iPS-MLにIFN-α,IFN-βを遺伝子導入した細胞(iPS-ML-IFN-α,iPS-ML-IFN-β)でメラノーマの治療実験を行った.Luciferase遺伝子を導入したヒトメラノーマ細胞株をSCIDマウスに腹膜播種させ,iPS-ML,iPS-ML-IFN-α,iPS-ML-IFN-βを其々腹腔内投与しin vivo imagingで治療効果を評価した.未治療群とiPS-ML投与群で腫瘍は拡大したが,iPS-ML-IFNs投与群では腫瘍増殖を抑制した.iPS-MLの腫瘍局所への浸潤を免疫染色にて確認し,iPS-ML-IFNsは細胞表面マーカーのCD169の発現が上昇し抗腫瘍的に働くM1MPのphenotypeとなっていた.iPS-MLは自己のサイトカイン環境でM1MPとなり,腫瘍局所でIFNの殺腫瘍効果も併せ抗腫瘍効果を発揮すると考える.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.38.337b