P1-28 トシリズマブ投与中寛解維持関節リウマチ患者における投与間隔6週延長に関する前向き研究
【目的】寛解維持関節リウマチ(RA)患者におけるトシリズマブ(TCZ)の6週投与間隔延長の有効性と忍容性を明らかにすること.【方法】2013年12月から2015年8月に当院通院中で,6回以上TCZを投与されており,3か月以上寛解を維持しているRA患者を対象とした.同意を得て投与間隔を6週間に延長した.【結果】対象患者は23例,平均年齢54.0歳,86.4%が女性,平均罹病期間11.8年,メトトレキサートおよびステロイド使用率はそれぞれ31.8%と9.1%,生物学的製剤の使用歴は63.6%であった.TCZ開始から投与間隔延長までの期間は平均41.5か月であった.延長開始24週後で21例(91...
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Published in | 日本臨床免疫学会会誌 Vol. 39; no. 4; p. 388b |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床免疫学会
2016
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0911-4300 1349-7413 |
DOI | 10.2177/jsci.39.388b |
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Summary: | 【目的】寛解維持関節リウマチ(RA)患者におけるトシリズマブ(TCZ)の6週投与間隔延長の有効性と忍容性を明らかにすること.【方法】2013年12月から2015年8月に当院通院中で,6回以上TCZを投与されており,3か月以上寛解を維持しているRA患者を対象とした.同意を得て投与間隔を6週間に延長した.【結果】対象患者は23例,平均年齢54.0歳,86.4%が女性,平均罹病期間11.8年,メトトレキサートおよびステロイド使用率はそれぞれ31.8%と9.1%,生物学的製剤の使用歴は63.6%であった.TCZ開始から投与間隔延長までの期間は平均41.5か月であった.延長開始24週後で21例(91.3%)が試験を継続した.延長開始時の平均DAS28-ESRは0.97±0.55であったが,24週後は2.10±1.10であり(p < 0.001),16例(72.7%)が寛解,2例(9.1%)が低疾患活動性を維持した.罹病期間,延長開始後6週までのDAS28-ESR, ESR, CRPの変化量が24週後のDAS28-ESR変化量と正の相関を示した(ρ = 0.41,p = 0.059,ρ = 0.58,p = 0.005,ρ = 0.49,p = 0.020,ρ = 0.51,p = 0.016).経過中に1例は18週で再燃,1例は5週でリンパ増殖性疾患の再燃で離脱した.有害事象は6例(27.3%)に認め,上気道炎が2例,リンパ増殖性疾患の再燃,転倒による脛骨骨折,鬱滞性皮膚炎,尿路結石症がそれぞれ1例であった.【結論】TCZ投与中寛解維持RA患者において投与間隔を6週間に延長することが有用である可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0911-4300 1349-7413 |
DOI: | 10.2177/jsci.39.388b |