気管支鏡を用いた気管支洗浄検査に伴う細菌の紛れ込み現象 : その問題点と対策

当院内視鏡部では, 過去2回, 気管支鏡検査に伴う検体への細菌の紛れ込みを経験した。その原因を検索し, それに対する種々の対策を講じた結果, 現在はほぼ満足すべき状態に改善されたので報告する。1986年10月, 気管支洗浄検査を行った10症例の検体に, 連続して緑膿菌が検出された。気管支鏡の鉗子孔内に細菌遺残を発見したことから, 薬液(ステリハイド)浸漬時間を延長した。しかし2カ月, 再び気管支洗浄液より非定型抗酸菌が14例に連続して検出された。この際, 内視鏡洗浄装置の洗浄槽, 洗剤槽, 薬液槽の検索にても, 非定型抗酸菌を認めた。このため, 抜本的対策として, 使用後気管支鏡の滅菌を, 0...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 11; no. 3; pp. 232 - 238
Main Authors 泉沢, ヨシノ, 松原, 藤継, 渡辺, 洋宇, 尾角, 信夫, 藤田, 信一, 岩, 喬
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 1989
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.11.3_232

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Summary:当院内視鏡部では, 過去2回, 気管支鏡検査に伴う検体への細菌の紛れ込みを経験した。その原因を検索し, それに対する種々の対策を講じた結果, 現在はほぼ満足すべき状態に改善されたので報告する。1986年10月, 気管支洗浄検査を行った10症例の検体に, 連続して緑膿菌が検出された。気管支鏡の鉗子孔内に細菌遺残を発見したことから, 薬液(ステリハイド)浸漬時間を延長した。しかし2カ月, 再び気管支洗浄液より非定型抗酸菌が14例に連続して検出された。この際, 内視鏡洗浄装置の洗浄槽, 洗剤槽, 薬液槽の検索にても, 非定型抗酸菌を認めた。このため, 抜本的対策として, 使用後気管支鏡の滅菌を, 0.5% Tego-51に切り替え, 浸漬時間を40分に延長した。また, 1カ月に1回, 洗浄器内の水タンク, 薬液槽, 配管の内部をTego-51液にて1時間灌流・洗浄を行った。これらの結果, その後の気管支洗浄検査では, 細菌の紛れ込みは認めていない。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.11.3_232