性行動の違いを生み出す分子機構

キイロショジョウバエのオスがメスに性行動を行う際,オスは一連の定型的な行動様式を示しながらメスに求愛する.このオスの性行動は遺伝的にあらかじめプログラムされており,この性行動を制御する脳内の神経回路には性差が見られる.この回路の主要部分はfruitless と呼ばれる遺伝子の働きによって蛹の脳の中で作り上げられるが,その具体的なメカニズムは一切不明であった.ここではFruitlessタンパク質およびFruitlessタンパク質と複合体を形成するクロマチン制御因子が,オスの性行動制御神経回路を作り上げるメカニズムについて紹介する....

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Published in化学と生物 Vol. 51; no. 10; pp. 686 - 692
Main Authors 伊藤, 弘樹, 山元, 大輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本農芸化学会 01.10.2013
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ISSN0453-073X
1883-6852
DOI10.1271/kagakutoseibutsu.51.686

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Summary:キイロショジョウバエのオスがメスに性行動を行う際,オスは一連の定型的な行動様式を示しながらメスに求愛する.このオスの性行動は遺伝的にあらかじめプログラムされており,この性行動を制御する脳内の神経回路には性差が見られる.この回路の主要部分はfruitless と呼ばれる遺伝子の働きによって蛹の脳の中で作り上げられるが,その具体的なメカニズムは一切不明であった.ここではFruitlessタンパク質およびFruitlessタンパク質と複合体を形成するクロマチン制御因子が,オスの性行動制御神経回路を作り上げるメカニズムについて紹介する.
ISSN:0453-073X
1883-6852
DOI:10.1271/kagakutoseibutsu.51.686