Boerhaave症候群による血胸でショックを来した1症例
生来健康の男性が持続する発熱, 食欲不振, 嘔気を訴え入院し, 1時間後に腹痛の増強を訴えてショック状態に陥った。胸部X線写真で胸水を認め, 上部消化管内視鏡で食道下部に潰瘍を認めた。Boerhaave症候群と血胸を疑い緊急手術を行った。麻酔導入後, 左胸腔に留置したトロッカーより大量の食物残渣と暗赤色の胸水を吸引した。ドレナージ後は急速に血圧が回復し, ショック状態は改善した。食道裂孔部の閉鎖と胸腔内の食物残渣を除去, 洗浄して手術を終了した。 術後は呼吸器合併症もなく, ドレーンからの排液も少量の胸水のみであった。しかし, 胸壁膿瘍を併発したため膿瘍廓清術を行い, 入院から132日で軽快退...
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Published in | 蘇生 Vol. 20; no. 1; pp. 49 - 51 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本蘇生学会
2001
The Japanese Society of Reanimatology |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0288-4348 1884-748X |
DOI | 10.11414/jjreanimatology1983.20.49 |
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Summary: | 生来健康の男性が持続する発熱, 食欲不振, 嘔気を訴え入院し, 1時間後に腹痛の増強を訴えてショック状態に陥った。胸部X線写真で胸水を認め, 上部消化管内視鏡で食道下部に潰瘍を認めた。Boerhaave症候群と血胸を疑い緊急手術を行った。麻酔導入後, 左胸腔に留置したトロッカーより大量の食物残渣と暗赤色の胸水を吸引した。ドレナージ後は急速に血圧が回復し, ショック状態は改善した。食道裂孔部の閉鎖と胸腔内の食物残渣を除去, 洗浄して手術を終了した。 術後は呼吸器合併症もなく, ドレーンからの排液も少量の胸水のみであった。しかし, 胸壁膿瘍を併発したため膿瘍廓清術を行い, 入院から132日で軽快退院した。 |
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ISSN: | 0288-4348 1884-748X |
DOI: | 10.11414/jjreanimatology1983.20.49 |