九州地区における気管支鏡検査の実状 : アンケート報告

背景・目的.日本は世界的なレベルで気管支鏡の開発や発達に寄与しているが,「気管支鏡検査による合併症頻度や施設による気管支鏡数の違い」などの気管支鏡検査の現状についての報告は少ない.このため,2000年8月25日,第23回日本気管支学会九州支部総会(会長:安元公正教授)の開催にあたり九州地区の施設に「気管支鏡検査の現状」というテーマでアンケートを依頼し,それを集計・検討したので報告する.対象・方法.診療科が異なれば同じ病院内でも別の施設として取り扱い,アンケートの回答があった41施設の調査結果を検討した.結果・結論.1本の気管支鏡は平均して年35回の気管支鏡検査に使用され,気管支鏡施行医は1人あ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 25; no. 2; pp. 97 - 104
Main Authors 山下, 智弘, 大崎, 敏弘, 杉尾, 賢二, 安元, 公正, 小山, 倫浩, 花桐, 武志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2003
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.25.2_97

Cover

Loading…
More Information
Summary:背景・目的.日本は世界的なレベルで気管支鏡の開発や発達に寄与しているが,「気管支鏡検査による合併症頻度や施設による気管支鏡数の違い」などの気管支鏡検査の現状についての報告は少ない.このため,2000年8月25日,第23回日本気管支学会九州支部総会(会長:安元公正教授)の開催にあたり九州地区の施設に「気管支鏡検査の現状」というテーマでアンケートを依頼し,それを集計・検討したので報告する.対象・方法.診療科が異なれば同じ病院内でも別の施設として取り扱い,アンケートの回答があった41施設の調査結果を検討した.結果・結論.1本の気管支鏡は平均して年35回の気管支鏡検査に使用され,気管支鏡施行医は1人あたり年間平均して39症例の気管支鏡検査を施行し,認定医と指導医は平均して288症例,257症例に関与していた.認定医と指導医がともに勤務している施設では合併症頻度が高値であり,気管支鏡検査のinformed consentを文書形式で行う傾向を示した.気管支鏡検査による抗酸菌contaminationの可能性は約半数の施設で指摘され,contaminationを認めた施設では高率にマニュアル以外のcontamination対策を講じていた.気管支鏡検査を施行する際に,施行医の教育的配慮,患者へのinformed consent,検査器具による2次感染対策などに対して十分に考慮されていると考えられた.(気管支学.2003;25:97-104)
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.25.2_97