AMMoL の肺浸潤による急性呼吸不全に対し気管支動注療法が著効を示した 1 症例

悪性血液疾患の肺浸潤は種々の感染症との鑑別が困難で, 重篤な転帰をとりやすく, その対策に苦慮することも多い。今回, 我々は急性骨髄単球性白血病(AMMoL)の肺浸潤による急性呼吸不全に対して気管支動注療法を施行し, 呼吸不全が著明に改善した症例を経験したので報告する。症例は35歳男性, 主訴は腰痛。白血球減少, 高LDH血症を指摘され入院となった。AMMoLとの診断の下に翌日より化学療法を施行し血液学的には寛解状態になったが急速に呼吸困難が進行, 両肺野にびまん性陰影が出現し, F_1O_235%PaO_2 66mmHgまで低下したためACNUの気管支動注療法を施行した。施行当夜より呼吸不全...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 12; no. 2; pp. 200 - 204
Main Authors 中井, 雅彦, 芦原, 久美子, 繁田, 正子, 中埜, 幸治, 沢田, 学, 金綱, 隆弘, 九嶋, 和美, 笠松, 美宏, 瀬戸口, 純子, 勝盛, 哲也, 小林, 裕, 近藤, 元治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 1990
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.12.2_200

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Summary:悪性血液疾患の肺浸潤は種々の感染症との鑑別が困難で, 重篤な転帰をとりやすく, その対策に苦慮することも多い。今回, 我々は急性骨髄単球性白血病(AMMoL)の肺浸潤による急性呼吸不全に対して気管支動注療法を施行し, 呼吸不全が著明に改善した症例を経験したので報告する。症例は35歳男性, 主訴は腰痛。白血球減少, 高LDH血症を指摘され入院となった。AMMoLとの診断の下に翌日より化学療法を施行し血液学的には寛解状態になったが急速に呼吸困難が進行, 両肺野にびまん性陰影が出現し, F_1O_235%PaO_2 66mmHgまで低下したためACNUの気管支動注療法を施行した。施行当夜より呼吸不全は著明に改善した。翌日の気管支鏡検査で粘膜の腫脹・縦走ヒダの明瞭化を認め生検で腫瘍細胞の肺浸潤を確認した。白血病細胞の肺浸潤による急性呼吸不全に対し, 気管支動注療法がその救命に非常に効果的であったのでここに報告した。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.12.2_200