肺炎に合併した炎症性気管支ポリープの 1 例

• Published in: The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 11; no. 2; pp. 143 - 147
• Main Authors: 湊, 浩一, 笛木, 直人, 土屋, 智, 江沢, 一浩, 中野, 秀彦, 斉藤, 龍生, 栗原, 正英, 北條, 忍, 稲沢, 正士, 滝瀬, 淳
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 1989; The Japan Society for Respiratory Endoscopy
• Subjects: 気管支鏡; 炎症性ポリープ; 肺炎; 自然治癒
• ISSN: 0287-2137; 2186-0149
• DOI: 10.18907/jjsre.11.2_143

肺炎の治癒過程に行われた気管支鏡検査で偶然に発見された, 炎症性ポリープの1例を報告する。症例は72歳・男性で発熱, 食欲不振を主訴に来院した。胸部X線上, 右下肺野に浸潤影を認め, 血液検査上も赤沈値, CRPの亢進と白血球増多を示したので, 肺炎の診断のもとに, 抗生物質の投与を開始し, 胸部X線所見と炎症反応の改善が得られた。気管支鏡検査では, 右中間気管支幹膜様部より, 半球状に突出する表面の平滑な隆起性病変が認められた。生検の結果, 化生扁平上皮に覆われた上皮下に, 組織球, リンパ球を主体とした炎症細胞浸潤が見られ, 炎症性ポリープと診断した。3カ月後の気管支鏡検査では, ポリープは完全に消失していた。本例の場合, 何らかの病原体が一方で肺炎を, また一方でポリープを引き起こしたものと考えられた。