CD36抗体検出のための新たな検査方法の樹立

背景と目的:CD36抗体は,新生児同種免疫性血小板減少症,血小板輸血不応症,非溶血性輸血副作用などの疾患や病態を引き起こす重要な抗体であるが,抗体検出に当たってはゴールドスタンダードといえる検査方法はない.材料と方法:抗原捕捉原理に基づくがモノクローナル抗体を必要とせず,標的細胞としては遺伝子導入細胞を使用する,CD36抗体検出のための新たな検査方法を樹立することを目的とした.また,同法とMAIPA法とを感度と特異性の2点において比較した.結果:今回の新たな検査法は,(1)血小板パネルの替りに遺伝子導入細胞を使用し,(2)HLA抗体の混在に影響を受けず,(3)特異性を高めるために通常用いられる...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 60; no. 6; pp. 609 - 613
Main Authors 尼岸, 悦子, 林, 智也, 高, 陽淑, 松山, 宣樹, 石井, 博之, 松倉, 晴道, 保井, 一太, 平山, 文也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 2014
日本輸血・細胞治療学会
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:背景と目的:CD36抗体は,新生児同種免疫性血小板減少症,血小板輸血不応症,非溶血性輸血副作用などの疾患や病態を引き起こす重要な抗体であるが,抗体検出に当たってはゴールドスタンダードといえる検査方法はない.材料と方法:抗原捕捉原理に基づくがモノクローナル抗体を必要とせず,標的細胞としては遺伝子導入細胞を使用する,CD36抗体検出のための新たな検査方法を樹立することを目的とした.また,同法とMAIPA法とを感度と特異性の2点において比較した.結果:今回の新たな検査法は,(1)血小板パネルの替りに遺伝子導入細胞を使用し,(2)HLA抗体の混在に影響を受けず,(3)特異性を高めるために通常用いられるCD36モノクローナル抗体が不要であるという3点の特徴を持つ.また,MAIPA法に比して,特異性,感度共に非常に良好な成績を示した.結論:今回の新たな検査法は,CD36抗体検出において感度,特異性共に優れた検査方法である.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.60.609