間質性肺炎を伴う強皮症の経過中に呼吸困難が出現した1例
「症例紹介」症例:67歳, 男性. 主訴:呼吸困難感. 現病歴:平成20年頃より乾性咳嗽, 息切れ, 手指のこわばりを自覚. 平成22年3月から歩行時の息切れの増悪を認めたため当院受診となった. レイノー症状, 指尖から手背まで達する皮膚硬化を認め, 抗核抗体は陽性(40倍, nucleolar pattern), 抗トポイソメラーゼI抗体(抗Scl-70抗体)は陰性であった. 胸部単純レントゲン, 胸部CTで両側下肺野に間質性陰影を認め, 呼吸機能検査では, %VC:69%, %DLco:37% と拘束性換気障害, 拡散能の低下を認めた. KL-6は968U/mlと上昇を認めていた. 強皮症...
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Published in | 順天堂医学 Vol. 58; no. 2; pp. 188 - 191 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
順天堂医学会
2012
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ISSN | 0022-6769 2188-2134 |
DOI | 10.14789/pjmj.58.188 |
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Summary: | 「症例紹介」症例:67歳, 男性. 主訴:呼吸困難感. 現病歴:平成20年頃より乾性咳嗽, 息切れ, 手指のこわばりを自覚. 平成22年3月から歩行時の息切れの増悪を認めたため当院受診となった. レイノー症状, 指尖から手背まで達する皮膚硬化を認め, 抗核抗体は陽性(40倍, nucleolar pattern), 抗トポイソメラーゼI抗体(抗Scl-70抗体)は陰性であった. 胸部単純レントゲン, 胸部CTで両側下肺野に間質性陰影を認め, 呼吸機能検査では, %VC:69%, %DLco:37% と拘束性換気障害, 拡散能の低下を認めた. KL-6は968U/mlと上昇を認めていた. 強皮症・間質性肺炎と診断され, 進行性間質性肺炎に対してプレドニゾロン(PSL)30mg/dayが開始となった. その後, 息切れ, 間質性陰影はいったん軽快傾向を認めたが, PSLの減量に伴い間質性陰影の増悪がみられたため, Tacrolimus 3mg/dayが追加され外来にて経過観察されていた. 平成22年12月, 数週前より徐々に増悪する息苦しさを主訴に救急外来を受診した. |
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ISSN: | 0022-6769 2188-2134 |
DOI: | 10.14789/pjmj.58.188 |