両側前庭機能低下に対する前庭リハビリテーション

「はじめに」前庭障害患者はめまい感, 不安定感などをはじめとした不快な症状を有する. これを軽減させる手段の一つに前庭リハビリテーション(以下, 前庭リハ)がある. 2016年にアメリカ理学療法士協会によって, 末梢前庭機能低下に対する前庭リハの診療ガイドラインが出版された. これによると, 一側前庭機能低下(unilateral vestibulopathy:UVP), 両側前庭機能低下(bilateral vestibulopathy:BVP)に対する前庭リハはともにエビデンスレベルI(I~IVでIが最も高い), 推奨度A(A~DでAが最も高い)と報告されている. このように前庭リハの有効...

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Published inEquilibrium Research Vol. 80; no. 3; pp. 223 - 232
Main Authors 松村, 将司, 室伏, 利久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 30.06.2021
日本めまい平衡医学会
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ISSN0385-5716
1882-577X
DOI10.3757/jser.80.223

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Summary:「はじめに」前庭障害患者はめまい感, 不安定感などをはじめとした不快な症状を有する. これを軽減させる手段の一つに前庭リハビリテーション(以下, 前庭リハ)がある. 2016年にアメリカ理学療法士協会によって, 末梢前庭機能低下に対する前庭リハの診療ガイドラインが出版された. これによると, 一側前庭機能低下(unilateral vestibulopathy:UVP), 両側前庭機能低下(bilateral vestibulopathy:BVP)に対する前庭リハはともにエビデンスレベルI(I~IVでIが最も高い), 推奨度A(A~DでAが最も高い)と報告されている. このように前庭リハの有効性については周知のこととなってきているが, 本邦では医師による指導が中心であり, 理学療法士による指導はまだ十分に導入されていないのが現状である. 本稿では, 特にBVPに対する前庭リハ, バーチャルリアリティを用いた前庭リハについて述べる.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.80.223