内リンパ水腫推定のための内耳造影 MRI と神経耳科学的検査

「はじめに」メニエール病, 遅発性内リンパ水腫といった内リンパ水腫疾患は, 10数年前までは水腫の形態所見は, 献体から得られた病理組織学的所見からしか得られなかった. Schuknechtの病理標本所見は耳鼻咽喉科医なら誰もが見たことがあると思われる. 水腫のため, Reissner膜が前庭階に向かって偏位している. そこで我々耳鼻咽喉科医は, 内リンパ水腫を推定する神経耳科学的検査を長年に渡って行ってきた. 利尿剤の投与前後で変化をみるグリセロールテスト (聴覚) , フロセミドテスト (平衡覚) , そして蝸電図検査が挙げられる. しかし, 各検査の陽性率は決して高くなく, 6~7割前後...

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Published inEquilibrium Research Vol. 79; no. 4; pp. 268 - 273
Main Author 藤坂, 実千郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 31.08.2020
日本めまい平衡医学会
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ISSN0385-5716
1882-577X
DOI10.3757/jser.79.268

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Summary:「はじめに」メニエール病, 遅発性内リンパ水腫といった内リンパ水腫疾患は, 10数年前までは水腫の形態所見は, 献体から得られた病理組織学的所見からしか得られなかった. Schuknechtの病理標本所見は耳鼻咽喉科医なら誰もが見たことがあると思われる. 水腫のため, Reissner膜が前庭階に向かって偏位している. そこで我々耳鼻咽喉科医は, 内リンパ水腫を推定する神経耳科学的検査を長年に渡って行ってきた. 利尿剤の投与前後で変化をみるグリセロールテスト (聴覚) , フロセミドテスト (平衡覚) , そして蝸電図検査が挙げられる. しかし, 各検査の陽性率は決して高くなく, 6~7割前後である. 従って各検査結果を組み合わせることで, 診断に結びつけてきた.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.79.268