マウスES細胞由来神経堤細胞の毒性評価系応用への可能性

口唇口蓋裂は先天異常のひとつであるが、その原因のひとつに妊娠時服用の薬剤による影響が考えられている。しかし、口唇口蓋裂を予測できるin vitro毒性評価法が開発されていない。顎顔面領域の発生メカニズムが十分に解明されれば、in vitroアッセイ系を確立できると考えられる。我々は、マウス胚性幹(ES) 細胞から顎顔面領域の発生に重要な神経堤への分化誘導を検討した。その結果、既知の成分からなる無血清培地を用いた二次元培養により、マウスES細胞から神経上皮を経て神経堤へ分化誘導するプロトコールの開発に成功した。我々の開発した二次元分化誘導法は添加因子の影響を正確に解析でき、顎顔面領域の発生メカニ...

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Published inTISSUE CULTURE RESEARCH COMMUNICATIONS Vol. 30; no. 2+3+4; pp. 159 - 168
Main Authors 岡本, 哲治, 浅島, 誠, 古江-楠田, 美保, 三村, 純代, 林, 洋平, 二川, 浩樹, 菅, 三佳, 平田, みつひ, 相原, 祐子, 木村, 直大
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本組織培養学会 2011
The Japanese Tissue Culture Association
Subjects
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ISSN0912-3636
1881-3704
DOI10.11418/jtca.30.159

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Summary:口唇口蓋裂は先天異常のひとつであるが、その原因のひとつに妊娠時服用の薬剤による影響が考えられている。しかし、口唇口蓋裂を予測できるin vitro毒性評価法が開発されていない。顎顔面領域の発生メカニズムが十分に解明されれば、in vitroアッセイ系を確立できると考えられる。我々は、マウス胚性幹(ES) 細胞から顎顔面領域の発生に重要な神経堤への分化誘導を検討した。その結果、既知の成分からなる無血清培地を用いた二次元培養により、マウスES細胞から神経上皮を経て神経堤へ分化誘導するプロトコールの開発に成功した。我々の開発した二次元分化誘導法は添加因子の影響を正確に解析でき、顎顔面領域の発生メカニズムの解明や毒性評価法の開発に寄与できる可能性が期待できる。ここで、その方法について概説する。
ISSN:0912-3636
1881-3704
DOI:10.11418/jtca.30.159