心臓血管外科手術を受ける患者の不安と心理的受容に関する研究

目的:心臓血管外科手術を受ける患者の術前における不安度および心理的受容度(以下, 手術受容度)の経時的変化について調査した. 対象:心臓手術を受ける患者15名(男性10名, 女性5名). 方法:術前に患者と面接を実施した. 不安度と手術受容度は5段階のリカート尺度を用いて定量化した. そして, 手術の可能性の示唆直後・手術適応の宣告前後・手術日の宣告前後・術前2日目, 以上6ポイントにおける不安度と手術受容度を面接時点から遡及的に調査した. 結果:手術の可能性を示唆されてから手術適応が宣告されるまで「少しでも不安がある」と答えていた患者数は増加したが, その後手術2日前まで減少していた. 一方...

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Published in医療 Vol. 55; no. 9; pp. 415 - 418
Main Author 山田, 巧
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 2001
国立医療学会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.55.415

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Summary:目的:心臓血管外科手術を受ける患者の術前における不安度および心理的受容度(以下, 手術受容度)の経時的変化について調査した. 対象:心臓手術を受ける患者15名(男性10名, 女性5名). 方法:術前に患者と面接を実施した. 不安度と手術受容度は5段階のリカート尺度を用いて定量化した. そして, 手術の可能性の示唆直後・手術適応の宣告前後・手術日の宣告前後・術前2日目, 以上6ポイントにおける不安度と手術受容度を面接時点から遡及的に調査した. 結果:手術の可能性を示唆されてから手術適応が宣告されるまで「少しでも不安がある」と答えていた患者数は増加したが, その後手術2日前まで減少していた. 一方, 手術受容度においては, 「肯定的な感情が拒否的な感情を上回っている」という患者の割合は手術が近づくにつれて直線的に増加していた. 次に, 不安度または手術受容度は測定時期により差があるのかKruskal-Wallis検定を用い分析した. その結果, 手術受容度のみ各測定時期で有意な差がみられた(p<0.01).
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.55.415