地上テレビジョン放送高度化方式に対応するMFN放送波中継用等化判定器

地上波による新たな放送サービスの実現に向けて,地上テレビジョン放送高度化方式(以下,高度化方式)の研究を進めている.高度化方式による放送ネットワークを構築する際には,現行の地上デジタル放送と同様に放送波中継の活用が有用である.現行の地上デジタル放送のMFN(Multi Frequency Network)放送波中継では,中継回線における信号品質の劣化を,周波数領域におけるチャネル等化とシンボル判定を組み合わせることで改善する等化判定器と呼ばれる補償器が広く用いられている.本論文では,現行の地上デジタル放送よりも多値のキャリヤ変調および不均一なコンスタレーションによる運用が想定される高度化方式に...

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Published in映像情報メディア学会誌 Vol. 77; no. 5; pp. 670 - 680
Main Authors 川島, 祥吾, 宮坂, 宏明, 朝倉, 慎悟, 竹内, 知明, 岡野, 正寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 映像情報メディア学会 2023
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Summary:地上波による新たな放送サービスの実現に向けて,地上テレビジョン放送高度化方式(以下,高度化方式)の研究を進めている.高度化方式による放送ネットワークを構築する際には,現行の地上デジタル放送と同様に放送波中継の活用が有用である.現行の地上デジタル放送のMFN(Multi Frequency Network)放送波中継では,中継回線における信号品質の劣化を,周波数領域におけるチャネル等化とシンボル判定を組み合わせることで改善する等化判定器と呼ばれる補償器が広く用いられている.本論文では,現行の地上デジタル放送よりも多値のキャリヤ変調および不均一なコンスタレーションによる運用が想定される高度化方式に,等化判定技術を適用する際の課題を示し,これを解決する高度化方式対応等化判定器を検討する.具体的には,シンボル判定に軟判定を適用すること,また,等化判定器において受信品質に応じた信号を雑音分散推定用信号へ付加することを提案する.計算機シミュレーション,室内実験および野外実験により提案手法の有効性を明らかにする.
ISSN:1342-6907
1881-6908
DOI:10.3169/itej.77.670