両側下顎第二および第三大臼歯の重積状埋伏の1例

両側下顎第二大臼歯と第三大臼歯が同時に重積状態で埋伏した1症例を経験した. 18歳の女性が8による舌の咬傷を主訴に来院した.パノラマX線写真にて下顎骨内に7|7の上に8|8が水平位で重積した状態で埋伏していることを認めた.全身麻酔下にこれら4本の埋伏歯の抜歯術を施行した.術後, 右側下唇の知覚麻痺を生じたが自然消失した. 患者は既往歴はなく, 他の歯牙および顎骨にも異常は認めないため, 重積状埋伏の原因は歯胚の位置異常, 方向の異常, 萌出力の不足の局所因子によるものと考えられた.また, 埋伏歯の原因となる萌出空隙の不足や顎骨の発育不良の有無を早期に発見するため, 学校歯科検診やかかりつけ歯科...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 54; no. 3; pp. 215 - 217
Main Authors 大塚, 幸子, 今井, 正之, 佐々木, 眞一, 茂木, 健司
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 北関東医学会 01.08.2004
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Summary:両側下顎第二大臼歯と第三大臼歯が同時に重積状態で埋伏した1症例を経験した. 18歳の女性が8による舌の咬傷を主訴に来院した.パノラマX線写真にて下顎骨内に7|7の上に8|8が水平位で重積した状態で埋伏していることを認めた.全身麻酔下にこれら4本の埋伏歯の抜歯術を施行した.術後, 右側下唇の知覚麻痺を生じたが自然消失した. 患者は既往歴はなく, 他の歯牙および顎骨にも異常は認めないため, 重積状埋伏の原因は歯胚の位置異常, 方向の異常, 萌出力の不足の局所因子によるものと考えられた.また, 埋伏歯の原因となる萌出空隙の不足や顎骨の発育不良の有無を早期に発見するため, 学校歯科検診やかかりつけ歯科医院での定期検診が重要であり, これにより歯牙保存の可能性が高められると考えられた.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.54.215